問題集:温熱環境と人の関係

人の体温調節において、コア部の温度よりシェル部の温度の方が外気温の影響を受けやすい。

答え:〇

コアは脳や内臓など生命の維持に欠かせない部分のことです。また、シェルは手足の指や、手足そのものなど末端に近い部のことです。生命の維持に必要な活動を脳や臓器が維持するために、コアの温度が適温に維持されるような生理反応が生じます。その生理反応が手足などの末梢部位の血流量や発汗などです。

シェル部の温度が周辺環境の影響を緩和するように血流量調整や発汗、震えなどの生理反応が働くことで、コア部の温度は一定に維持されているのです。

人の体温調節において、人体の各部位の単位時間当たりの温熱性発汗の発汗量には部位差がある。

答え:〇

発汗には、暑さへの対抗策としての温熱性発汗と緊張などに伴う精神性発汗がある。温熱性発汗の発汗能は、頭部や体幹部で高く、下腿や足で低くなっています。

人の体温調節において、人体の各部位の単位時間当たりのふるえによる産熱量には部位差がある。

答え:〇

産熱は筋肉で生じるため、各部位の震え産熱の産熱量は部位ごとの筋肉量により異なります。最も多いのが体幹部でその次が大腿部です。手や足、下腿部では震え産熱がほとんど生じません。

ヒートショックとは、急激な温度変化により急激な血管の拡張または収縮が生じ、血圧が急激に変動することによる体調の変化のことである。

答え:〇

断熱性能の低い住宅のお風呂の洗い場、脱衣所は外気温に近い温度になっていることがよくあります。ぬくぬくと暖かい服を着ている状態から裸になると、皮膚表面近くの血管が一気に収縮して、コア部に血液が集中し血圧が上がります。さらに、洗い場で凍えながら体をきれいにしたあと、湯船に入ると今度は一気に皮膚表面近くの血管が拡張して血圧が下がります。血圧上昇は心筋梗塞や脳梗塞の一因ですし、血圧低下はめまいの一因です。このような、急激な温度変化に伴う体調不良をヒートショックと呼びます。栃木県はヒートショックによる救急搬送件数が全国トップクラスで多いです。

額の温度より手足の温度の方が、外気の温度に近い。

答え:

額の温度は、脳の温度を反映していて、発熱時以外はおおむね35℃程度で安定しています。手足は、脳や内臓を熱の影響から守るために切り捨てられる部位で、外気温が高ければ温度が上がり、外気温が低ければ温度は下がります。寒い時に手や足の動きが悪くなるのは、コア部を守るために手足が切り捨てられ、手足への血流量が大幅に(最大100分の1)削減されることにより、筋肉をスムーズに動かせるだけの酸素が届けられていないことによります。

体温が朝低く、昼高く、夜低くなるような体の仕組みのことをサーカディアンリズムと呼ぶ。

答え:〇

体温が朝低く昼高く夜また低くなるような周期性のある体のリズムのことをサーカディアンリズムと呼びます。