トラップが破られた破封

封水は、排水の一部ではありますが、それより先の排水管からのにおいや害虫の侵入を防いでくれる重要な水です。

ところが、封水が失われて、破封に陥ってしまうことも起こり得るのです。

破封が生じる原理

封水が破られる破封になる主な原因は以下の4つです。

  • 自己サイホン作用

  • 誘導サイホン作用

  • 蒸発作用

  • 毛細管作用

自己サイホン作用

瞬間的に多量の水がトラップを流れたときに、多量の水の背後には低圧が生じます。

自己サイホン作用は、この低圧に封水として残ってほしい分の水まで引っ張られて、封水として排水が残らない現象です。

誘導サイホン作用

排水縦管に瞬間的に多量の水が流れると、多量の水の背後には低圧が生じます。

その低圧に引っ張られて封水が排水されてしまうのが誘導サイホン作用です。

蒸発作用

蒸発作用は、読んで字のごとく、です。

誰もいない小便器の水がたまに流れるのは、この蒸発作用による破封を防ぐための仕組みです。

毛細管作用

毛細管作用は、髪の毛や糸くずを伝ってトラップの水が少しずつ排水されてしまう現象です。

洗面所などで生じやすいです。

洗面所で髪をとかしたら、シンクに落ちた髪を配管に流してしまうのではなく、毎回集めてゴミ箱に捨ててくださいね。