第4話
『先生!黒板に外の光が反射して板書が見えません!』
光環境の目安とトラブル
手元は明るいほうが作業しやすく、そのためには強い日差しをたくさん取り入れられたら良いようにも思います。
その一方で、日差しのある屋外で読書をした時のことを思い出すと、本の表面に日差しが反射して写真の白飛びのようになってしまい文字が読めなくなってしまったことがありました。
同じように、卓上の照明スタンドをつけて勉強していたときにも、照明の光が参考書の表面で反射して参考書に読みにくい部分ができてしまい参考書の位置を変えたこともたびたびありました。
日差しも照明も、多ければ多いほど良いというわけではなさそうです。
それでは、どの程度の日差しや照明であれば過ごすのに都合良いのでしょうか?
第4話のポイント
光環境の目安のキーワード:照度、昼光率、均斉度
光環境のトラブルのキーワード:グレア、フリッカー、光膜反射
光環境を設計したり改善したりするには、目安や目標値があると便利です。
「暗い!暗すぎる!!」というエンジニアがいる一方で、同じ部屋に対して施設課は「いやいや十分に明るい!まぶしいくらいだ!!間引き点灯してくれ!」と言うかもしれません。明るさ・暗さの程度を具体的な数値で話すことができれば、不毛ないざこざも減らせそうです。
現状が目安より暗ければ明るさを増すための設備を全面的に追加することを検討する必要があるかもしれませんし、全体的に現状が目安より明るく部分的に目安を満たしていないのであれば設備投資はピンポイントで済むかもしれません。環境の程度を具体的に表すことができ、さらに目安が提示されていれば、費用対効果を具体的に考えられ、投資するか否かの意思決定が可能になるとも言えます。
それでは、どのような指標であれば光環境を評価することができるのでしょうか。
本を読むときに暗すぎると読みにくいです。暗さが光環境の問題点の一つであることはイメージしやすいです。
では、明るすぎる環境は問題でしょうか?
直射日光にある屋外は明るすぎる環境と言えそうです。直射日光のさす屋外は、スポーツや散歩をするには特に問題なさそうです。その一方で、屋外での読書は日差しが紙面で反射して読みにくくなりそうです。