実際のところ、冷房・暖房・除湿って何?
実際のところ、冷房・暖房・除湿ってどんな機能なのでしょうか?
冷房は冷たい空気を出すこと。
暖房は暖かい空気を出すこと。
除湿は、水分を減らすこと。
まぁ、それはそうなんですが、もう少しエンジニアの目線で見ていってみましょう。
図:冷房・暖房・除湿を考えるときには、室内の空気(室内に供給される空気)とその熱源について考えます。
冷房・暖房・除湿の仕組み
動画:冷房・暖房・除湿は、冷房+除湿と暖房の2組に分けることができます。また、熱源が温めたり冷やしたりする相手は、室内の空気や室内に供給される空気などいつくかあります。ちょっとややこしいですね。
空調設備の大きな役割は、冷房・暖房・除湿です。
冷房と除湿はとても似ている機能です。
冷房・除湿と暖房は、冷やすのと温めるので大きく違いますが、冷媒は同じ通り道を通っています。
似てる部分もあるし違う部分もあるし…ちょっとややこしいです。
暖房の仕組み
空調設備で暖房する場合、室内に熱を届けてくれる冷媒は、熱を部屋の外で入手してきます。
冷媒の通り道を室内に通しておけば、その通り道(いわゆる配管です)に触れた室内の空気は暖かくなります。
これが暖房です。
温かい熱源から送られてきた冷媒は、室内を通過したのち、再び熱源に戻っていきます。
熱源に戻っていって再び高温になって、冷媒は室内に戻ってきてくれるのです。
冷媒が温めるのは、室内の空気だけではありません。
室内に配管を通さない場合や換気を兼ねて外気を室内に導入する場合、冬の冷たい空気をそのまま取り入れたのでは室温が下がってしまいます。
外気が室内に届けられる前に、取り込まれてきた外気に冷媒が熱を渡すことで、冷たい外気で室温が下がってしまうことを予防できます。
冷房の仕組み
空調設備で冷房する場合、低温になった冷媒が室内まで延ばされた配管を通って室内に届けられます。
暖房の場合と同様に、室内に配管を通さない場合や、換気のために外気を取り入れている場合は、外気の温度を下げてから室内に入れることもあります。
蒸し暑い空気はあまり入れたくありませんからね。
低温の冷媒は、室内や外気の通るダクトに送られ、そこにある空気から熱を吸収します。
熱を周囲から吸収して温度の高くなった冷媒は、そのままではもう冷房としての役割を果たすことができません。
そこで、温度の高くなった冷媒は、冷熱源に送り返され、再び低温になって戻ってくるのです。
低温の冷媒は、室内の空気や、室内に送られる外気に触れます。
冷媒の温度の方が低ければ、室内の空気や室内に送られる外気の持つ熱の一部は冷媒に吸収されていきます。
冷媒が通って冷やされた配管に触れることで、その空気は冷やされるのです。
除湿の仕組み
除湿は、実は冷房ととてもよく似ています。
とても低い温度に冷やされた冷媒の通る配管に、室内の空気が触れると、結露します。
室内の空気に含まれている水が、配管で凝縮するのです。
湿度の元である空気中に水蒸気として浮遊していた水分が、液体の水として配管の表面に集められるのです。
液体になった水を屋外に持っていけば、室内の湿度は下がっていくのです。
低温の冷媒を室内に持っていくというプロセスは冷房も除湿もとじです。
冷房と除湿で仕組みとして違うのは、より多くの水蒸気を凝縮させるために、少し風速を遅くしたりしているくらいです。