問題集:光環境と人

錐状体(錐体)は網膜に広く分布している。

答え ×

網膜に広く分布しているのは桿状体(桿体)です。錐状体は中心窩付近に密集しており、そこで視線の先にある注視対象を高い解像度でかつカラーでセンシングしています。

明順応の方が、暗順応より時間がかかる

答え ✖

明順応は数秒間ですが、暗順応は数十分間必要です。日光は徐々に暗くなっていくので暗順応にかかる時間が長くても襲ってくる獣から逃れることはできますが、寝ているときに獣が襲ってくる音に気付いて瞼を開いてから明順応に長い時間がかかってしまうと、その間に食べられてしまいます。明順応に時間のかかってしまった祖先は途絶え、明順応が短時間の祖先が今に続いているのでしょう。

プルキンエ現象は、視感度の相違によって、明所視に比べ暗所視において、赤が明るく、青が暗く見える現象である。(2019年一級建築士試験問題改変

答え・✖

プルキンエ現象は、暗所視において明所視より赤が暗く青が明るく見えることを指します。明るい所では赤い色がよく目立ちますが、暗い所では青い光の方がよく目立ちます。これは、人の目が明るい所では赤い色に強く反応するのに対し、暗い所では青い色に強く反応するようになるためです。このような明るい所と暗い所で光の波長に対する感度(比視感度)が変わることをプルキンエ現象と呼んでいます。

視野の中で、人の顔は文字などより優先的に情報処理される。

答え:〇

光の加法混色では、色を重ねるほど明るい色になる。

答え:〇

光の加法混色は、色光を足していくと明るい色になることです。減法混色は、色料や色フィルタなど吸収媒質の混色にみられる状態で、混色すると明度が落ちていきます。

加法混色によって無彩色を作ることのできる二つの色について、一方に対する他方を補色とよぶ。

答え:〇

色相環の円の反対側に反対側の対の色を補色と呼びます。例えば、黄色と紫、水色とオレンジの組み合わせが補色です。

色の三属性は色調、明度、彩度である。

答え:

色の三属性は色相、明度、彩度です。色調は、明度と彩度を複合した概念です。

加法混色の三原色は、一般に、シアン、マゼンタ、およびイエローである。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

加法混色の三原色(光の三原色)は、RGB(赤、緑、青)で混色すると白に近づきます。減法混色の三原色はCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)で、混色すると黒に近づきます。プリンターのインクがCMYをベースにしていることから、CMYを混色していくと黒になることはイメージしやすいです。

JISの物体色の色名における有彩色の系統色名は、基本色名に「明度・彩度に関する修飾語」と「色相に関する修飾語」の2種類の語を付記して色を表示する。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:○

JISの物体色の色名における有彩色の系統色名は、「明るい(明度・彩度に関する修飾語)」「緑みの(色相に関する修飾語)」「黄色(基本色名)」のように、基本色名に「明度・彩度に関する修飾語」と「色相に関する修飾語」の2種類の語を付記して色を表示します。

照度と色温度の関係において、一般に、低照度では色温度の高い光色が好まれ、高照度では色温度の低い光色が好まれる。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

低照度では色温度の低い(赤みを帯びた光色)が好まれ、高照度では色温度の高い(青みを帯びた光色)が好まれます。高照度で低い色温度の場合は暑苦しく、低照度で高い色温度の場合は陰鬱な雰囲気になります。

同化現象は、囲まれた色や挟まれた色と周囲の色の違いが顕著に見えることをいう。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

囲まれた色や挟まれた色が周囲の色に近づいて見える状態を同化現象と呼びます。囲まれた色の面積が小さい場合や、色相、明度、彩度が近い場合により強く同化現象が生じます。