衛生設備

衛生設備とは、トイレやお風呂や洗面所などの設備のことです。

衛生設備は、日常生活に本当に欠かすことのできない設備です。

欠かすことのできない設備だけあって、不便の生じないように慎重に技術開発がされてきました。

大便器

和式・洋式という違い以上に、様々なタイプの便器が開発されてきています。

目指しているのは、より少ない水量で、より静かに、より匂わずに使えるトイレです。

大便器は、以下の3種類に大別できます。

  • 洗い出し式

  • 洗い落とし式

  • サイホン式

以下では、タイプ毎に大便器の特徴を見ていきます。

洗い出し式

洗い出し式の大便器は、いわゆる和式トイレです。

洗い出し式の大便器は、吹き出す水の勢いで汚物を排水管へ押し流していきます。

洗い出し式の大便器では、押し流されるまで汚物が水面から顔を出すので、においやすいという問題があります。

洗い落し式

洗い落とし式の大便器は、古いタイプのよくある洋式のトイレです。

着座した時の背中側にあるタンクから大量の水が吐出され、その水の圧により汚物は排水管へ押し流されていきます。

汚物が水没できるだけの水の深さはありますが、水面が狭いため汚れやすいです。

サイホン式

排水するときに水が吸い込まれていくような動きをする大便器がサイホン式の大便器です。

水深が深く水面も広いので、においを発しにくく汚れにくいです。

また、サイホン式の大便器の排水はサイホン(吸い込む)という現象を応用しており、洗い出し式の大便器が用いている運動エネルギーや洗い落とし式の大便器が用いている位置エネルギーをサイホン式では使っていません。

サイホンという現象は大気圧を応用したエネルギーで、強力なエネルギーですが、音はとても静かです。

ちなみに、灯油の給油ポンプもサイホン現象の一種です。

初めは灯油で満たされていないポンプ内部に、電池や手動で配管内の圧力を下げて灯油を引き上げ配管内を灯油で満たすことにより、大気圧のかかったガソリンスタンドで入手した灯油の入った灯油タンクの灯油が、灯油ポンプの灯油缶側の出口から吐出してきます。

小便器

小便器は、男性用の小便器としては一般的です、女性の方はあまり見たことが無いと思います。

実は、女性用もあります。

壁掛け式

壁掛け式は駅や公共施設で多用されるタイプの小便器です。

1回の洗浄で、およそ2~4リットルの水が消費されます。

自立式(ストール型)

小学校や公園など子どもが用いる施設で多用されるタイプの小便器です。

1回の洗浄で、およそ2~4リットルの水が消費されます。

無水小便器

上から水を流さないタイプの小便器です。

当然清掃はします。

無水小便器の清掃は、洗剤を含んだウェットティッシュのような布で便器を磨くだけです。

実は、トイレの汚れの大部分は、洗浄の際に用いている水に含まれるミネラル成分なのです。

また、無水小便器に流れ込んだ水分の行く先には水よりも比重の小さいオイル状の液体が溜まっています。

臭いの元となる液体が無水小便器に流されても、オイル状の液体が蓋の役割を果たして臭いを発生させないのです。