日射の表し方

一言に日射と言っても、直射日光と呼ばれる直達日射と、直達日射を除き空全体から届く光である天空日射に分けることができます。

明るい薄曇りの日には、もちろん直達日射は減ります。

明るい薄曇りの日には、天空日射は増えるのです。

天空日射は快晴より明るい薄曇りの日の方が明るくなるのです。

また、日射の性質のうち熱に着目すると、反射、吸収、透過に分けることができます。

反射、吸収、透過というフレームに分けることで、単に「日射を室内に入れない」と考えるより、「反射を上げ、吸収を低くし、透過も低くすることにより、日射の熱量を室内に入れない」と考えた方が、課題の解決につながりそうです。

ちなみに、もれなくダブりのないようにフレームに分けて考えることを、MECEに考えると呼びます。

直達日射と天空日射

夏は日差しは暑く避けたいもので、冬の日差しは暖かく待ち遠しいものです。

「日差し」とは具体的にはどのようなものを指すのでしょうか。

太陽から地球に電磁波の形で届くエネルギーのうち、拡散せずに地表に到達するエネルギーを直達日射と呼びます。

また、地球の大気中の水分や塵により乱反射して空全体の明るさとして降り注ぐエネルギーを天空日射と呼びます。

天空日射量を測定するときには、直達日射がセンサに届かないように、黒塗りつや消しのピンポン玉などで直達日射を遮ります。

その逆に、直達日射量を測定するときには、天空日射がセンサに届かないように天体望遠鏡のような筒を太陽に向けて測定します。

直達日射はいわゆる直射日光です。

天空日射は空の明るさです。

大気透過率は、大気中の水蒸気や塵に光がぶつかり乱反射しながらも大気の中を突き抜けてきた光のエネルギーの残っている割合分です。

晴天の日の大気透過率は高く、あかるい曇りの日の大気透過率は天空日射が高くなります。

日射の反射・吸収・透過

日射の性質のうち熱に着目すると、反射、吸収、透過に分けることができます。

反射、吸収、透過というフレームに分けることで、単に「日射を室内に入れない」と考えるより、「反射を上げ、吸収を低くし、透過も低くすることにより、日射の熱量を室内に入れない」と考えた方が、課題の解決につながりそうです。

相当外気温度(SAT : Sol-Air Temperature)

相当外気温度というまとめ方は、建物の内外での熱の移動を想定するときに便利な考え方です。

日射が壁の温度を上げて建物の内部に熱を届ける計算プロセスを毎回実行するのは手間です。

その手間な計算の一部を予め済ませてしまってあるのが相当外気温度です。