問題集:音の伝搬と音響

無限大の面音源では,音圧レベルの減衰は距離の二乗に反比例する。

答え:✖

無限大の面音源では、音圧レベルは距離により減衰しません。点音源の場合、距離の二乗に反比例して音圧レベルは減衰します。

残響時間は、一定の音圧レベルで安定させて音源を停止してから60dB音圧レベルが下がるのに要する時間のことである。

答え:

残響時間は、安定した音源を停止させてから、エネルギー密度が100万分の1になる(60dB低下する)までの時間を指します。コンサートホールなどでは吸音材となる人体(入場者)の数が大きく変動するため、残響時間を調整するための設備を設けることがあります。

壁の音響透過損失を10dB増加させるためには、壁の音響透過率を現状の10倍にする必要がある。(2019年一級建築士試験問題改変)

答え:×

壁の透過損失は、「入射音のエネルギー」に対する「壁の反対側に透過した音のエネルギー」の割合です。壁の音響透過率を高めると反対側に透過した音のエネルギーが高まってしまいます。そのため、透過損失を高めるためには透過率を小さくする必要があります。

音の干渉は、二つ以上の音波が同時に伝播する場合、音波の重なり具合によって振幅が変化する現象である。(2018年一級建築士試験問題改変)

答え:

音の干渉は、二つ以上の音波が同時に伝播する場合に、音波が重なり振幅が増幅されたり小さくなったりする現象です。アクティブノイズキャンセルの技術も音の干渉を用いたもので、騒音の逆位相の音波を発することによる振幅を小さくすることを狙う技術です。