第3話

『逆流してほしくないものを封じ込める罠 』

排水のための設備

食器を洗ったり、トイレで水を流したり、お風呂に入ったりして使った水は、排水されていきます。

その排水、においそうです。

配管の中には、害虫も住んでいそうです。


台所や洗面所のシンクの排水口は、排水管につながっています。

しかし、台所の排水口から、今さっき食器を洗った際の洗剤のにおいはしても、いろんなものの混ざった排水のにおいはあまりしません。

洗面所の排水口から、Gなどが這い上がってくることもありません。

排水口の先には決してキレイではない排水管が続いているはずですが、排水管の影響はあまり居住空間には届かないようになっているようです。

今回は、清潔な居住空間と、キレイとは言えない排水管との境目に着目します。

排水のための設備の最も上流側にあるのは、便器などの衛生設備や台所のシンクやお風呂などがあります。

少し進むと、排水管から登ってきてほしくないものを封じる部分「トラップ」があります。

トラップを超えると排水縦管、排水横管が続いていきます。

排水縦管には通気管が並行して走っています。


ここでは、排水のための設備のうち、トラップに着目します。

第3話のポイント

  1. トラップ=封水

  2. トラップが破られる=破封

便器などの機器と排水縦管の間には、においや害虫が居室空間に入ってくることを防ぐ部分があります。

それがトラップという形状の配管です。

もう少しだけ詳しく言うと、トラップという形状の配管には水が溜まるようになっていて、その溜まった水により排水管のにおいや害虫を遮断しているのです。

排水管からにおいや害虫が居室に入ってくるのを防いでくれるのがトラップの封水です。

しかし、封水は水なので蒸発したり流れ出て行ってしまって、封水が破られてしまうことがあります

この状態を破封と呼びます。

蒸発により封水が失われるだけでなく、破封はいくつもの原因によって生じてしまいます。