空気線図の見方
空気線図は一見するとごちゃごちゃしていてとっつきにくいです。
露点温度、湿球温度、乾球温度、相対湿度、絶対湿度…温度や湿度が何種類もあり、ややこしそうで面白さを感じにくそうです。
でも大丈夫。
大事な要素はたった二つだから大丈夫。
温度(乾球温度)と水の量(絶対湿度)を見れば大丈夫。
空気線図の構成
空気の温度と、空気が蓄えている水の量が分かれば、エネルギーや相対湿度など空気の状態に関するその他の評価指標を知ることのできる便利な図が空気線図です。
さらに、ある温湿度の空気を別の温湿度の空気に変えようとするときの、必要な温度や必要な水の量、必要なエネルギー量や結露量を求めることもできます。
これは、今の室内空気を目標の室内空気に変化させるための空調設備の制御の方法を教えてくれる図であるともいえます。
空気線図の見方
空気線図は、大きく以下の4つの要素で構成されています。
温度
水の量(絶対湿度)
相対湿度
エネルギー(比エンタルピー)
今の空気の状態の見方
空気線図を構成する4つの要素の中では、温度と相対湿度が身近な評価指標です。
横軸が温度で、右に行くほど高温になります。
縦軸は絶対湿度で、乾いた空気(Dry Air=DA)1kg(DA)が含むことのできる水の量(kg)で、上のほうほど含むことのできる水の量が多いことを示しています。
空気の温度と、含むことのできる水の量を空気線図上で描くと、相対湿度や比エンタルピーなど他の指標の値も得られます。
空気の状態を変えるときの見方
空調設備を使って空気の状態を変えることを、空気線図上の温度と相対湿度に着目して考えてみます。
室温30℃、相対湿度40%を、室温だけ20℃に下げることを考えてみます。
変わるのは温度だけなので、その空気が持っている水の量は変わりません。
つまり、縦軸の値は変わらず、温度が下がる方向に水平移動していきます。
温度が下がると、空気中に蓄えることのできる水の量が少なくなるので、相対湿度は高くなります。
30℃40%の空気を20℃まで冷却すると、相対湿度は70%程度になります。
今度は、温度はそのままで、空気中の水の量を増やしてみることを考えてみます。
室温30℃相対湿度40%の空気に水を加えることで相対湿度80%にしてみます。
空気中の水の量を増やしても温度は変わらないので、水をくわえられた空気の状態は、空気線図上では鉛直方向に移動します。
冷たい外気に冷やされた窓に室内の空気が触れると、その空気の温度は低くなります。空気の温度が低くなって、空気中の水の量が何も変わらなければ、相対湿度は高くなっていきます。
また、室温を変えるほどの大きな熱源ではなくても、水分を発生する人体が室内にたくさんあると、室温は変わらなくても絶対湿度も相対湿度も高くなっていきます。