第7話
『空気線図=空気の状態を線で描いた図』
空気の状態
空気の状態を知ることは、温熱環境の全てを知ることにはなりませんが、温熱環境の一部を知ることはできます。
そのことについて、フレームで考えてみます。
温熱環境や空調設備を考えるときに漏れなくダブりなく考えるフレームはいくつかあります。
人の温冷感覚に着目すると、温熱環境の6要素がフレームとなります。
温度、湿度、気流、放射、着衣、代謝の6つの要素です。
空気の状態に着目することで、これらのうちで温度と湿度に着目することになります。
熱の移動に着目すると、4つの熱移動経路がフレームとなります。
対流、放射、伝導、蒸発の4つの経路です。
空気だけに着目しても、放射や伝導を加味することはできませんが、空気に着目することで対流と蒸発の状態を加味することはできます。
空気線図を使っても温熱環境の一部しか把握することはできませんが、温熱環境の6要素として欠かせない温度と湿度、熱移動経路として欠かせない対流と蒸発に関する多くの情報を得ることはできます。
第7話のポイント
空気線図は空気の状態を線で描いた図
絶対湿度は水の重さ、相対湿度は腹〇分目
除湿量は空気線図からあふれ出した水の量
顕熱は水平移動、潜熱は垂直移動
空気の状態
空気線図は、空気の状態を「温度」「水の量」「エネルギー」の3つの視点から見させてくれる図です。
細かく見ていけば、「温度」は乾球温度だけでなく湿球温度もあらわされていますし、水の量は相対湿度と絶対湿度に分けることができます。
ただ、温熱環境や空調設備を考える際に大切なのは、「温度」「水の量」「エネルギー」の3つの要素です。
空気線図に描かれているのは、温度と水の量とエネルギーです。
温度と水の量を組み合わせて、空気の温度や湿度が空気線図には描かれています。
空気線図を使うと、結露させる量/結露してしまう量や、温度・湿度を上げたり下げたりするのに必要なエネルギー量が分かります。
湿度には、絶対湿度と相対湿度があります。
梅雨時期によく見かける「湿度80%」は相対湿度です。
実際に空気中に含まれているkgで表す水の量が絶対湿度です。
空調負荷を考える際に登場した顕熱と潜熱です。
空気線図から、空気の持つ熱を把握することもできます。
温度変化の顕熱と、湿度変化の潜熱の両方とも把握することができます。
温度を変えるのに必要なエネルギーや湿度を上げ下げするのに必要なエネルギーをざっくりと知ることができます。