よく聞く、「空調設備の性能」って何?

性能が良い空調設備は、素早く室温を調節できるし、消費電力量も少なくなります。

ところで、ここで言う空調設備の性能とはいったいどんな性能なのでしょうか?

空調設備の性能

空調設備の性能を一言で表すといかになります。

性能=冷媒から空気に移った熱量

同じ量の同じ温度の冷媒を入り口から流した時に、出口でどれだけ冷媒の温度が変わっているか、すなわち経路の途中でどれだけの熱を空気に供給できたのかが空調設備の性能の評価指標です。

空調設備の性能の考え方

入り口から入った冷媒は、吸い込み空気と触れ、吐き出されるときには空気の温度を暖房では上げ、冷房では下げています。

冷媒が入り口から出口に至るまでのプロセスで、どれだけたくさんの熱を吸い込んだ空気に供給できるかが重要です。

冷媒のルートが、室内に入ってからあっという間に部屋の外に出てしまうようであれば、吸い込んだ空気が触れる配管の面積は小さいです。

熱を受け渡しできる面積が小さければ、受け渡しできる熱の量も少なくなります。

つまり、熱を受け渡しできる面積が広いほど、性能は高くなるのです。

空調設備の性能を高める(配管を伸ばす)

空調設備のメーカは空調設備の性能向上に向けて研究開発を進めています。

彼ら・彼女らが取り組んでいることは、ざっくり言えば冷媒の入り口から出口までの間に、冷媒と吸い込み空気のあいだでなるべくたくさんの熱を移動させることです。

冷媒の通り道が長いとどうなるでしょうか?

もちろん冷媒の通り道が長ければ、吸い込み空気に触れる面積も広くなり余す。

冷媒と吸い込み空気の接触面積が増えれば、冷媒と吸い込み空気の間でより多くの熱が交換されていきます。

空調設備の性能を高める(フィンをつける)

空気の流れが止まらない程度に配管にフィンをつけることも、冷媒と吸い込み空気の間での熱の交換量を増やすことにつながりそうです。

フィンの温度は、配管の温度よりは低くなってしまいそうですが、それでも無いよりはずっとましなようです。

空調設備の性能を高める(フィンをつける+フィンを波形状にする)

あまりフィンの間隔を詰めすぎてしまうと、空気が流れなくなって熱交換したい空気が冷媒の通る配管に触れることができなくなってしまいそうです。

そこで、フィンを波形状にすることで、フィンの間隔を詰めすぎることなく、まっすぐなフィンの場合より接触面積を増やせそうです。

フィンを波形状にすることにより、フィンから吸い込み空気に伝わる熱量を増やすことができそうです。

他にはどんな方法で冷媒と吸い込み空気の間の熱の移動量を増やすことができるでしょうか?

例えば、入り口側の温度の最も高い/あるいは低い状態の冷媒を、吸い込み空気から吐き出し空気までの流れの上流側に置くのか下流側に置くのかの違いによっても、性能は変わってきそうです。

フィンの波があるのかないのか、波の高さは高い方が良いのか低い方が性能向上するのか、といったことが日々空調設備の開発現場では繰り広げられています。

小さな改善かもしれませんが、少しでも性能を上げることができれば、消費エネルギー量を減らすことを通じて人を幸せにできるかもしれません。