第3話
『侵入させないために、吸収するか、はじき返すか』
吸音と遮音
集合住宅で過ごしていると、隣の部屋の音が聞こえたりします。
壁に穴が開いているわけではないのに、窓が開いているわけでもないのに、聞こえてきます。
壁を通過して聞こえてくるのです。
生活に密着した生活音はなかなか生々しく聞きたくもないでしょうが、聞こえてきてしまうのです。
音が壁を貫通してくることを低減するのが、吸音と遮音という考え方です。
第3話のポイント
第3話のポイント
多孔質材は高周波、穴やスリットは中周波、空気層は低周波の音を吸収する。
音の吸収=熱への変換
密実な物質=高遮音材
コインシデンス効果=入射音により壁面上で新たに発生する波
壁に空いた小さな穴でも、その壁の遮音性能を大きく損なう。
音を吸収することが吸音です。
どのように音を吸収するかというと、摩擦により熱エネルギーに変換してしまうのです。
音を遮ることは、その空間の目的を達成するために欠かせない技術です。
ただ、音はなかなか防ぐことが難しいです。
何が難しいのか、どんなことろが難しいのか、それらを紹介していきます。