問題集:空調負荷

外壁において、熱橋部分の室内側表面温度は、一般に、熱橋部分以外の部分の室内側表面温度に比べて、室温に近くなる。(2019年一級建築士試験問題改変

答え ✖

外壁における熱橋は、室内と屋外の間の熱を伝える橋のような役割を担ってしまう部分のことです。鉄骨構造の鉄骨部分や窓のアルミ冊子が熱橋になりやすい部位です。熱橋部分の室内側表面温度は、屋外の熱を室内に伝えてしまう部分なので、熱橋以外の部分より屋外の温度に近くなります。

壁体内の密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さが 10 mmを超えるとほとんど変化しない。(一級建築士試験問題改変

答え ✖

壁体内の中空層の熱抵抗は、40mm程度までは厚さが増すほど大きくなります。これは、空気の粘性により、空気の移動が抑えられるためです。ただ、それ以上に厚さが増すと、壁から離れた位置の空気層が流動し、熱交換が促進します。そのため、中空層の厚さを40mm程度を超えるくらいに厚くしても、熱抵抗としての効果は高くありません。

外壁面の外気側における総合熱伝達率は、外壁面が外気温度に等しい黒体で覆われていると仮定し、日射や夜間放射の影響を受けるとみなした値である。(2019年一級建築士試験問題改変

答え ✖

総合熱伝達率では、日射や夜間放射は加味されません。日射や夜間放射の影響を受けないような場合の、対流と放射による熱の移動の程度を表したのが総合熱伝達率です。

複層ガラスの中空層が完全な真空であっても、複層ガラスの熱貫流率は、 0(ゼロ)にはならない。(2019年一級建築士試験問題改変

答え ○

熱が移動するルートには、伝導、放射、対流、蒸発があります。複層ガラスの中空層が完全な真空の場合、中空層では伝導、対流、蒸発による熱の移動が生じません。その一方で、太陽の日射による熱が真空の宇宙を介して地球を暖めているように、真空であっても放射による熱の移動は生じます。そのため、中空層が完全な真空であっても複層ガラスの熱貫流率はゼロにはなりません。