問題集:温熱環境の概要

風速が大きいほど、対流熱伝達率は大きくなる。

答え ○

固体と流体の相対的な速度差が大きいほど多くの熱が移動します。一定の面積、一定の温度差の時に、固体と流体の間の熱の移動量を表すのが対流熱伝達率ですので、風速が早いほど対流熱伝達率は大きくなります。

熱伝導率の単位はW/㎡℃である。

答え ✖

熱は物体の厚さが増すほど通しにくくなります。そのため、伝導による熱移動を考えるときは、熱伝導率(W/m℃)に厚さを加味(1/m)したうえで(W/m℃×1/m=W/㎡℃)、熱が伝わる面積(㎡)と温度差(℃)を加味(W/㎡℃×㎡×℃=W)します。

一般に、熱伝導率は、固体>液体>気体の順となる。

答え:〇

熱伝導率は、熱の伝わりやすさに関する値であるが、ミクロで見ると分子間での熱の受け渡しが容易な物質であるほど熱伝導率が高い物質であると言えます。すなわち、所定の空間内に存在する分子の数か多く、熱の振動をすぐ近くの分子に伝えやすい状態のものほど熱伝導率が高くなります。

室の断熱性能を高めることにより一般に、室温と室内表面温度との差を小さくすることができるが、室内の上下の温度差は大きくなる。

答え:×

断熱性能を高めると、室内の表面温度は室温に近くなります。室内の表面温度が高くなると、コールドドラフトなど上下方向の温度ムラの原因も生じにくくなります。そのため、室の断熱性能を高めると室内の上下方向の温度差は小さくなります。

室内壁面の表面結露の予防には,高断熱化による室内側表面温度の上昇が有効である。

答え:〇

結露は、湿度と低温表面が接触する部分で生じます。室内で結露を生じさせないためには、湿度を減らすか、表面温度を高くするかの少なくともどちらか一方が必要です。

壁体の断熱層の屋外側に防湿層を設置することは,冬季の壁体の内部結露の予防に有効である。

答え:

断熱材は、熱を通しにくいという特性により、断熱材を挟んだ両側の温度差を大きくすることのできる材料です。空気中の水分を低温な物体に接触させないためには、物体の低温の部分に空気がたどり着く前に水分をブロックしておくことが必要です。高温を維持している断熱材の室内側に防湿層を設置することで、内部結露の予防になります。