経路

排水の経路に加えて通気の経路が必要なのは、スムーズに汚水を流すためですし、破風の予防にもなります。

通気管の必要性

配水管一杯になるような量の水が流れてきた場合、その下側の空気はどんどん圧縮されていきます。

その圧力により汚水の流速が遅くなり、言わゆる「詰まり」のような状態になってしまいます。また、配管内のこの高圧な空気により、下層の排水設備から風水が噴き出してくる可能性もあります。

汚水がその進行方向にある空気を圧縮することにより生じる問題を敷設方法の一つが通気管です。これにより、汚水のスムーズな流れと高圧による破風を予防することにつながります。

汚水が流れることによるもう一つ生じる圧力差が、汚水の後ろ側に生じる低圧部分です。

この負圧により風水が引っ張られてしまうのが誘導サイホンです。

これを防ぐためには、流下する汚水の背後側にも常に十分な大気が供給される必要があります。そのためのツールが通気弁です。

ただし、通気弁は負圧には対応できますが、高圧には対応できないので、高圧の生じないところでしか役割を果たすことができません。

ドルゴ社が開発したため、ドルゴ通気弁や単にドルゴと呼ばれることもあるそうです。

ドルゴ通気弁は排水設備のすぐ後ろに設けることもあります。

これにより、上層からの汚水の流下による誘導サイホンには対応できます。

ただし、配管内が負圧になった場合には通気弁から室内空気を吸うことはできますが、正圧になった場合には圧力を逃がすことができないので対応できません。

通気口(ベントキャップ)

通気口(ベントキャップ)にはいくつか形状が異なりますが、機能的にはたいして変わりはありません。