第1話
『シャワーが弱い!? 』
給水のための設備
ホテルでシャワーのレバーを押してお湯を出そうとしたときにチョロチョロとしかお湯が出なかったら、とても残念です。
ただ、ホテルであれば多少水圧が低くても、宿泊客が残念と感じてホテルの評価が落ちるだけで済みます。
病院で水圧が低いのは一大事です。
医療スタッフが十分な水圧で手を洗えなければ、不衛生な手で手術を行うことになりかねず、不都合な水圧が医療事故の原因になりかねません。
使えることが当たり前の水道ですが、その当たり前を生み出している給水設備には、当たり前を生み出すためのたくさんの技術や知恵が盛り込まれています。
第1話のポイント
第1話のポイント
水道の3要素=水圧・水質・水量
水圧=位置エネルギー(高い所)+機械エネルギー(ポンプ)
水質=まぜたらダメ
水量=オフィス100l/人day、集合住宅300l/人day、総合病院2000l/人day
給水の方法の違いは、水圧を生み出す方法の違いです。
水圧という力を生み出すには、高い所に水を置く位置エネルギーとポンプによる機械エネルギーの2つの方法があります。
この2つの方法を組み合わせて、シャワーヘッドや台所の蛇口から十分な圧力で水が出てきています。
水道の3要素のうち、問題が生じやすいのは水圧と水質です。
圧力は足りなくても問題になりますし、ありすぎても大きな問題の原因になります。
設備設計上問題がなくても、施工時に問題が生じることがあります。
給水設備の場合、施工時の問題は水質の問題に直結してくるので、間違いの生じにくい配置での設計と丁寧な施工、慎重な確認が欠かせません。