第3話

『目か…よくもまぁこんなにも複雑に進化したものだ』

光環境と人

人が認知する情報の8割は視覚によるものと言われています。

それほどまでに大きな影響を及ぼす視覚はどのように得られどんな特徴があり、どうすれば高いパフォーマンスを発揮できるのでしょうか。

空間の目的を発揮する光環境を作り出すためには、光環境と人との関係について把握しておく必要がありそうです。

第3話のポイント

  1. 視細胞には明るいとき専門の細胞(錐状体)と、暗いとき専門の細胞(桿状体)がある。

  2. 明順応は数秒。暗順応は数十分。

  3. 昼は明るい色、夜は少し暗い色が一番見やすい。

一つの機能を持った器官としては、目は非常に複雑な器官です。

口であれば「たまたま口の中に丈夫な部分を持った種類が生まれてきて、他の種類より多くの食べ物を食べられて、他の種類より生き残りの確率を高められた結果、その特徴(歯)を持つ種類が主となった」とざっくりと考えると、私たちの口に歯がはえている理由もイメージできます。

では、目はどうでしょうか。「たまたま光や色の刺激に反応する細胞をもった種類が生まれてきて、その中から今度は特定の色に反応する細胞を持った種類が生まれてきて、さらにその中から今度は細胞に届く光の量を調整することのできる種類が生まれてきて…」と考えることが突飛に思えるほど、目はかなり複雑な構造をしています。

生き物の持つ特徴の多くは、その生き物の生存可能性を高めています。

視覚にも、一見すると不思議に見える特徴があります。

視覚の特徴も、人の生存可能性を高めることに寄与しているのでしょうか?

光環境を調整する目的は、見たいものをはっきりと明確に簡単に見ることです。

どのような条件がそろうと、私たちにとってはっきりと明確に簡単に見ることができるのでしょうか?