問題集:温熱環境の評価方法

PMVは温熱環境の6要素を考慮した環境評価指標である。

答え

PMVは計算過程で温熱環境の6要素の全てを加味した温熱環境評価指標です。

作用温度(OT)は、一般に、発汗の影響が小さい環境下における熱環境に関する指標として用いられ、温熱環境6要素のうち湿度以外の空気温度と風速と平均放射温度の重み付け平均で表される。(2019年一級建築士改変)

答え:✖

作用温度は、温度と放射温度のみを加味した温熱環境の評価指標です。そのため、発汗による皮膚の冷却が阻害される多湿環境については、体感と作用温度が大きくずれることになってしまいます。

PMVの単位は℃である。

答え ✖

PMVに単位はありません。暑さを+、寒さを-で表し、およそ±3の範囲の値を取ります。

温熱環境評価指標のSET*は、温熱環境6要素のうち代謝量を加味していない指標である。

答え

SET*は経時的に均一でムラの無い温熱環境を仮定した仮想の温度で、室温、湿度、気流、放射、代謝、着衣量の温熱環境の6要素のすべてを算出に用います。その一方で、SET*は、首振り扇風機の気流や電気ヒーターのようなムラのある温熱環境の評価は想定していません。日射のある屋外環境などムラのある温熱環境を評価するために、SET*を部分的に改良した温熱環境評価指標も開発されています。

屋外の日射のあるような環境を含む夏の温熱環境を評価するために開発された指標であるWBGTの算出においては、湿度の影響は加味しない。

答え:

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、室温と日射に加え湿度の影響も加味する温熱環境評価指標です。WBGTには計算方法に2種類あり、日射の有無で使い分けます。また、WBGTに最も支配的な影響を及ぼすのは湿球温度で、WBGTの値の7割は自然湿球温度により決まります。

身体活動に伴う代謝量を表す指標であるmetは、体表面積当たりの消費エネルギー量としてあらわされ、1metあたり58.2W/㎡である。

答え:〇

metは、身体活動に伴う代謝量から人体の大きさに関わる要素を除去した値で、体表面積当たりの表皮エネルギー量としてあらわされます。1met=58.2W/㎡で定義されており、人の体表面積がおよそ1.5~1.8㎡であることを加味すると、およそ87.3~104.8Wが1metの消費エネルギー量となります。

安静時は0.7met、座って読書している程度が1.0met、歩いているときには2~4met程度とされています。

PMVは値が大きいほど暑い環境であることを示している。

答え:〇

PMVはおよそ-3~+3の範囲で示される温熱環境評価指標で、正の値が大きいほど暑く、負の値が大きいほど寒く、ゼロが暑くも寒くもない状態を意味します。Predicted(予測) Mean(平均) Vote(申告)の頭文字をとったPMVです。