音の伝搬
実は、音の振る舞いは、光の振る舞いと似ています。
距離が遠くなると弱くなりますし、はね返りもします。
ここでは、そんな音の振る舞いの特徴を紹介します。
音の伝搬
音の伝わり方のうち、まずは距離による減衰に着目します。
距離による減衰の程度は、音源の形状により大きく異なります。
まずは、点音源から考えていきます。
点音源
点音源の場合、光の場合と同様に 距離の2乗に反比例して弱まっていきます。
その弱まり方の程度を表す指標として、2倍の距離を進んだ時の聞こえ方の変化量を d.d.(double distance)で表現します。
点音源で背後に壁がない場合は-6dB/d.d.ですが、背後に壁がある場合は-3dB/d.d.になります。
線音源
線音源の場合、聞きなれない言葉が出てきます。
それは見込み角です。
測定点からみた音源の角度のことです。
線音源の場合、見込み角が2倍になると、レベルは… +3dB増えます。
その一方で、音源と測定点の距離が離れていくと、 線音源で得られる音圧レベルは-3dbずつ下がっていきます。
距離減衰
点音源、線音源、面音源で考えることができますが、距離による減衰には一定のパターンがありました。
下図は、それらをまとめて再掲したものです。
ホイヘンスの原理
ホイヘンスの原理は、光や音といった波の振る舞いを説明したもので、音の反射や屈折、回折の現象もおよそホイヘンスの原理から考えることができます。
ホイヘンスの原理は「音や光のような波は、波面上の各店が点音源となって、共通の包絡面がΔt秒後の波面となる」というものです。
音の反射
音の反射で顕著な特徴は、入射角と反射角は同じということです。
音の屈折
音の屈折は、冬の夜に体験することができます。夏の昼にも生じています。
屈折は、音の速さが温度により異なるという音の特徴によるものです。
夏の昼は地面が暖められ、空気の温度は低いです。
逆に、冬の夜は、放射冷却により地面は冷たく空気の方が暖かくなります。
音の回折
音の回折は、音が障壁を回り込む現象のことです。
ただ、音の回折は、周波数により回析となる程度が大きく異なり、低周波数の音の方が障壁を回り込み騒音となりやすいです。