給湯設備

給湯設備について、以下の4点に着目して説明していきます。

給湯の熱源

給湯の熱源には、大きく分けて2種類あります。それが、電気とガスです。

電気での給湯は、ヒートポンプにより空気から熱を集めて、その熱を給湯に使うお湯に伝えることでお湯の温度を上げようとするものです。ただ、燃料を燃焼させて熱を作っているわけではないので、沸騰するほどの温度にはなりませんません。

もう一つの熱源がガスです。ガスを燃焼させ、その熱を給湯の温度上昇に使っています。都市ガスの燃焼温度は1700~1900℃程度、プロパンガスの燃焼温度は1900℃程度です。

湯の膨張

給湯温度が高いと、配管が伸び縮みしますが、実は水そのものも温度変化により膨張・収縮します。

水の密度が最も高くなるのが、水が4℃の時です。4℃の水が最も密実でもっとも重いです。つまり、水は、4度をピークにして温度が上がっても下がってもお湯の密度は下がり、体積は膨張していくのです。

給湯により、配管内の水の温度は高くなっていき、体積も増加していきます。水の体積が増加することにより、配管内の圧力が高くなり水圧が上がってしまう危険性があります。それを避けるために、膨張管と呼ばれる逃げ部が設けられています。

配管の膨張

配管の内部のお湯の温度が変化すると、配管自体も温度が変化することにより膨張・収縮していきます。

配管の膨張、収縮による影響を抑制するための方法については、ジョイントの章で説明した。

給湯温度とその用途

給湯温度でまず気にしなければならないのが、貯湯を含めて給湯温度が55度より低くならないようにするという点です。55度を下回ると、レジオネラ菌が増殖しやすい環境になってしまうのです。給湯温度は55度を下回らないように供給されますが、55度ではシャワーとしても熱すぎでので、最後に水を混ぜて温度を調整します。

給湯

給湯量の目やすは、「一人あたり」や「1㎡あたり」、「一床あたり」など建物の用途に合わせて数多く提案されています。

熱源の方式

熱源となる加熱装置とお湯を使う場所である給湯箇所の対応個数や対応範囲の違いにより、局所給湯や中央給湯、それらの中間に位置する住戸セントラル給湯や住棟セントラル給湯などの種類があります。

給湯管数

給湯管数は、瞬間湯沸かし器から吐出口までお往路のみの単管か、追い炊き機能が有るようなお風呂などの複管に分けられます。

循環方式

循環方式には大きく二種類の方式があります。

一つ目が、自然循環方式です。暖かいお湯が上に上がり、冷たい水が下に下がってくる動きを利用した方法です。

もう一つが強制循環方式です。強制循環方式ではポンプを用いて循環の動力としますが、受水槽からの揚水を担った揚水ポンプと比べると小さめなポンプで済んでしまいます。