問題集:温熱環境・空調設備の設計

空調設備の冷媒の温暖化係数は、当該冷媒の温室効果が二酸化炭素の温室効果の何倍であるかを表している。

答え:〇

ルームエアコンやカーエアコンなどの空調設備には冷媒が封入されています。それらは温暖化係数が高いため、大気に放出することが禁止されています。それらの冷媒の温暖化係数は、二酸化炭素の温暖化係数の何倍であるかを示しています。例えば、代替冷媒として使用されていたR410Aの温暖化係数は2090で二酸化炭素の2090倍の温暖化係数です。また、R410Aより温暖化係数が低い冷媒として採用されているR32の温暖化係数は675です。R32の温暖化係数はR410Aの温暖化係数よりは低いのですが、それでも二酸化炭素の675倍もあるのです。

気温、湿度、放射、伝導、着衣、代謝は温熱環境の6要素と呼ばれている。

答え ×

温熱環境の6要素は、気温、湿度、放射、気流、着衣、代謝であり、伝導は含まれません。

人感センサとして使われることの多い焦電型センサは、夏より冬の方が大きな出力となる。

答え 

焦電型センサは、センシングエリアから届く熱量の変化を出力するセンサです。そのため、背景となる壁などとセンシングエリアに入ってくるものの温度差が大きいほど焦電型センサの出力は大きくなります。冬では、壁などの背景が15℃くらいで人の表面温度が30℃くらいですので、その温度差は15℃程度となります。夏では、壁などの温度が30℃くらいで人の表面温度が32℃くらいですので、その温度差は2℃程度となります。すなわち、冬の焦電型センサの出力の方が大きくなります。

モリエル線図は、比エンタルピーと圧力の関係を示しており、一般に等温度線と相変化の境界が記されている。

答え 〇

モリエル線図は、横軸に比エンタルピー、縦軸に圧力が記されており、一般に気体、気液混合、液体の相変化の境界と等温度線が記されています。

ヒートポンプ空調機器の熱交換器のフィンは、0℃以下になることもある。

答え 〇

ヒートポンプ空調機器の熱交換器は、暖房時には外気から熱を吸収するために外気温より低温になります。外気温が0℃以下の場合、室外機の熱交換器はそれよりも低い温度となることにより0℃以下の外気を熱源とすることができます。そのため、室外機の熱交換器は暖房時に0℃以下になる可能性はあります。

熱交換器のフィンの形状は、熱源の流体の流れやすさ、熱交換の効率、冷媒の流れやすさを加味して決められる。

答え ×

熱交換器のフィンの形状は、フィンに触れる熱源の流体の流れやすさや、フィンに触れる熱源とフィンの間の熱交換の効率を加味しますが、冷媒の流れやすさは加味しません。冷媒の流れやすさは、パイプの太さや分岐パイプの形状などに加味されます。