避雷設備
「雷が鳴っているときは、大きな樹の下にはいかない。」
「雨が降っていても、雷が鳴っていたら大きな樹の下で雨宿りはしない。」
雷に打たれないために、昔から上記のようなことが言われてきました。
高層の建物が林立するようになった現代でも、高い所に雷が落ちやすいという特性は変わりません。
ただ、「雷が落ちるところを避ける」から、「雷が落ちても大丈夫なように設計したところに雷に落ちてもらう」に、安全を得るための発想は変わってきました。
避雷設備
避雷設備を設けることによって保護できる範囲(保護範囲)に建物を収められるように、避雷設備を設ける必要があります。
避雷設備の考え方は、建物の高さと避雷設備の種類によって異なります。
よく聞く「避雷針」は代表的な避雷設備です。
避雷設備の設置間隔の考え方には「保護角法」「回転球体法」「メッシュ法」の3つがあります。
保護角法
建物の屋上に金属の棒(避雷針)を突き立てて、そこに雷を誘導する避雷設備です。
避雷針の先端から所定の角度に含まれる範囲が、保護角法の保護範囲とされています。
避雷針の先端から保護される範囲として定められている範囲の角度のことを保護角と呼びます。
保護角は、建物の高さと建物の重要さにより異なり、建物の高さが高くなるほど小さくなり、建物の重要さが増すほど小さくなります。
保護角が小さければ、避雷針を数多く設ける必要が出てきます。
避雷針をたくさん設ければ安全性は高まりますが、設置費用が増してきます。
回転球体法
雷放電理論からすると最も妥当な避雷設備の設計方法です。
複数の避雷設備または避雷設備と地面とが、所定の半径の回転球面表面になるように避雷設備を設ける設計方法です。
JIS A 4201にまとめられています。
メッシュ法
メッシュ法は、棟上導体法とも呼ばれる雷保護設備です。
棟上導体法は、屋上に電気を通すものを設置して、安全に電気を地面に流すための設備です。