問題集:吸音と遮音
吸音材料のうち、多孔質材は低周波数の音に対する吸音率が高い。
吸音材料のうち、多孔質材は低周波数の音に対する吸音率が高い。
解答:✖
解説:多孔質材は小さな空隙により構成されており、それらの音の運動を繊維間の摩擦や多孔質材内の空隙にとどめられている空気の粘性により熱に変換する機能を備えています。そのため、多孔質材が効率的に吸音できるのは波長の短い高周波の音です。低周波の音は、多孔質材が作る空隙に収まらずに抜けていってしまいます。
透過損失は、入射音と透過音の音響パワーの比である。
透過損失は、入射音と透過音の音響パワーの比である。
解答:〇
解説:透過損失は、入射する音の音響パワーと、反射せず、吸収されずに透過した音の音響パワーの比です。
等価騒音レベルは、聴覚補正された音圧レベルのエネルギー平均値であり、一般に、変動の小さな安定した騒音の評価に用いられる。(2019年一級建築士試験問題改変)
等価騒音レベルは、聴覚補正された音圧レベルのエネルギー平均値であり、一般に、変動の小さな安定した騒音の評価に用いられる。(2019年一級建築士試験問題改変)
答え:×
等価騒音レベルは自動車や工事現場など経時的に変動する騒音を対象とする音環境の指標です。大型車両の通行などたまに生じる大騒音も含むことができるため、平均的に騒音が生じている環境騒音の評価に適しています。その一方で、騒音の発生頻度が低い環境を対象とする場合、頻度の低い騒音も評価に含まれてしまうため、騒音を過大に評価してしまう危険性があります。
孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の固有周波数は、空気層の厚みを小さくすると低周波数域に移動する。(2019年一級建築士試験問題改変)
孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の固有周波数は、空気層の厚みを小さくすると低周波数域に移動する。(2019年一級建築士試験問題改変)
答え:×
孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の固有周波数につながる波長は、空気層の厚みが大きいほど長くなります。そのため、空気層の厚みが大きいほど、吸音構造の固有周波数は低周波数域に移動します。
駅、空港、ショッピングモールなどの公共施設においては、放送音声の聞こえやすさを確保するため、一般に、吸音処理を設けることが望ましい。(2019年一級建築士試験問題改変)
駅、空港、ショッピングモールなどの公共施設においては、放送音声の聞こえやすさを確保するため、一般に、吸音処理を設けることが望ましい。(2019年一級建築士試験問題改変)
答え:○
放送音声を高めるためには、残響時間を短くする必要があります。残響時間を短くするためには、吸音処理が有効です。