これは私が作った造語で、「普及品の汝窯(風)製品」を意味します。現代に製作された、しかも手頃な値段で手に入る汝窯のことです。
紆余曲折を経て汝窯を集めだした頃、「B級汝窯コレクター」を自称していたのですが、「私の集めている汝窯がB級ならば、A級は何だろうか」という疑問が沸き起こりました。
「本物」つまり北宋時代の作品は、数十億円。現在、一般に売られている作品は、歴史的には継承関係の全く無い、模造品、或いはインスパイアされた完全なる新作でしかないわけです。「じゃあ、新作は全部B級じゃないか」ともいえてしまいます。
しかしながら、各社、各作家、それぞれが創意工夫をこらして、素人の私が見ても、(素人の私だから?)ため息が出るほど美しい見事な作品も多数存在します。
また、現在の技術でも、良い色を出すと言うのは、なかなか難しいようで、B級などと言うのは失礼だろうという考えに至りました。
それに、いくら安いと言っても、安物の中では値段帯も高めの製品群です。日本より物価の低い現地の価格ですら、かなり安いもので(現地価格で)1000円弱、ちょっと凝った物ならば数千円、高いものならば現地価格ですら数万以上は簡単に値が付いている、そんな値段帯の作品群です。高くない品を中心に集めているとはいえ、日本で手に入れようとすれば数千円から1万やそこらはしてしまう物を持っている私が、「B級品を集めています」なんていうのは嫌味でしかありません。
そのようなわけで、
他の陶磁器類に比べると若干高めですが、手ごろな値段帯の物も多数ラインナップがあり、凝った物でも、ちょっと頑張れば十分に手が届く、まさに身の丈に応じた、値段帯が手ごろな汝窯(風)作品群を普及品と位置づけ、普及の「及」をB級の「級」に置き換え、「普級汝窯コレクター」と自称することにしました。