「陶器の街・鶯歌」と同じことを繰り返して書く部分もありますが、鶯歌の魅力とは何でしょうか。
観光客ではない私にっては、ただ茶碗を売っているだけの町でしかないのですが、
それでも、この町へ行く利点はいくつかあるのです。
1、安く陶器が買える
例えば、この写真(↑)の茶杯は、丞漢社製の小茶杯(葵口)ですが、デパートで買うと、200NTです。
セールで180NTくらいでしょうか。
これが、鶯歌だと、いきなり120NTくらいで普通に売っています。
私は高雄在住なので、交通費だけでも往復3000NT
(妻と一緒に行くので実際にはその倍)かかるのですが、
これがもし台北在住ならば、一人往復100NTもかかりません。
この茶杯クラスの製品を2個も買えば、いきなり元が取れてしまうのです。
・・・羨ましい。
2、違うパターンの茶器を見つけられる
例えば、この写真(↑)の茶荷(茶合)は、陶作坊のものです。
単なる同形の品は、デパート内の大抵の陶作坊コーナーで手に入ります。
しかし、この写真の「上辺に薄く茶色の縁取りが入ったタイプ」は、なぜか置いていませんでした。
鶯歌の直営店に出向いたところ、やっと一つだけ置いてあるのを見つけました。
もちろん私は在住者ですから、
数週間でも、数ヶ月でも、年単位の予約さえも、発注することは出来なくはありません。
しかし、汝窯製品は一点ごとに仕上がりが微妙に違うため、単純な伝票上の発注で買うのには向いていません。
(単なる発注は受けてくれますが、製品の細かい仕上がりまで指定するような複雑な注文は受けてくれません。)
大量に並んでいる現物を見て買えるというのは最大の魅力です。
3、知らないメーカーに出会える
例えば、この写真(↑)の茶杯は、祥億窯の茶杯(斗笠)ですが、
左側の茶杯がちょっと変わった色合いをしています。(実は形も比較的珍しい)
仮にごく普通の色合いだったとしても、一般のデパートでは、この窯の製品自体を見かけることがありません。
買うという行為を目的とするだけでも、これだけの魅力を持った町なのです。
それに、いくら観光客ではないとはいえ、観光地をブラブラ歩くというのは、
それはそれで、それなりに楽しいものです。