台湾は、烏龍茶だけを作っているわけではもちろんありませんが・・・
烏龍茶は青茶に分類され、青茶はその製造過程上の理由から、様々なバリエーションが存在します。
ここでは、代表的な銘柄等について書きたいと思います。
(いろんな資料を引いて、ネットからの孫引きも多いので、目安程度にお考えください。
また、いわゆる製品名、地域名(生産地名)、季節、品種名等々、混在した書き方となっていますが、
この辺の混乱っぷりも台湾茶の或る意味特徴だと思っています。)
凍頂烏龍茶
凍頂山(南投県)で取れた烏龍茶の名称。台湾全土で作られているようですが、
厳密には産地固定のブランド。台湾四大銘茶の一つ。
梨山烏龍茶
梨山(台中縣)で取れた烏龍茶。産地固定のブランド。高山茶系の中ではここが一番良いとされています。
でも、台湾四大銘茶には入れてもらえない。なぜ?
阿里山烏龍茶
阿里山(嘉義県)で取れた烏龍茶。産地固定のブランド。阿里山が人気だからか日本でもやたら見かける。
そんなに生産量あるの、あの辺の畑?そんなわけで、玉石混交状態になっている感あり。
阿里山佛手茶
阿里山(嘉義県)で取れた佛手種のお茶。産地固定、品種固定のブランド。
阿里山珠露茶
阿里山(嘉義県)で取れた烏龍茶。阿里山烏龍茶の一種なのですが、高級化してブランド登録したお茶。産地固定のブランド。
大禹嶺烏龍茶
大禹嶺(花蓮・南投・台中三県の境、花連とするのが一番正確なようです)で取れた烏龍茶。産地固定のブランド。
そういえば、自宅近くのお茶屋がこれを扱っているので、普段はこれの「高山茶」を飲んでいることが多いですねえ。
龍鳳峽烏龍茶
龍鳳峽(南投縣杉林渓山系の最高峰)で取れた烏龍茶。産地固定のブランド。
高山茶
海抜1000メートル以上の茶畑で生産されたお茶。
地域ブランド化されていない高山で取れたものや高山系地域ブランドの二級品の類がこう書かれていることが多いようです。
玉石混交のイメージ。値段の高い高山茶は「(地域名)高山烏龍茶」と書かれていることが多い。
名前的に一番ツボに入ったのは、「拉拉山高山茶」です。
高冷茶
海抜2,000メートル以上の茶畑で生産されたお茶。
一般の高山茶よりもさらに高い地域で作られている希少な茶のため、
「(地域名)高冷烏龍茶」というネーミングで売られていることが多い。
木柵鉄観音
台北の木柵地区で作られる烏龍茶。名前の通り、鉄観音種を使っています。
変り種で、梅占種を使用した「木柵梅占鉄観音」なんてのもある模様。産地固定、品種固定のブランド。台湾四大銘茶の一つ。
文山包種茶
台湾北部文山地区一帯で栽培されたお茶。かつて紙に包まれていられていたため、包種の名前がついています。産地固定のブランド。台湾四大銘茶の一つ。
南港包種茶
台湾東部南港地区一帯で栽培されたお茶。かつて紙に包まれていられていたため、包種の名前がついています。産地固定のブランド。
龍潭龍泉茶
桃園県龍潭郷で作られるお茶。主に包種茶を作っていますが、「龍泉茶」の名付け親は、当時の台湾省主席・李登輝氏(1983年)。産地固定のブランド。
包種茶
一般的なウーロン茶に比べて発酵の程度が弱いため、 緑茶に近い風味になっていると言われています。
う~ん、確かに発酵は軽いと思うし、軽発酵らしく香りもいいのだけど、緑茶とはかなり違うんじゃないかなあ。
包種の言葉の由来は、「かつてお茶を紙で包んでいた」からとか。
じゃあ、プーアルはどうなんだよ、今も紙じゃねえかとか、突っ込みたくなるんですが・・・
金萱茶
金萱(台茶12号)を使ったお茶。当たり前ですが、品種固定のブランド。
そこに地域ブランドをつけて、「凍頂金萱茶」、「阿里山金萱烏龍茶」等さらにブランド化を図っている場合があります。
もしかしたら「阿里山金萱高冷烏龍茶」なんてのもあるのでしょうか、ありそうですが、私はまだ出会っていません。
そういえば、私の日本の知人は「金萱茶」と「東方美人」好きが多い気が・・・やっぱり・・・
バニラ香とか説明されていて、ずっと意味が分からなかったのですが、
(だって飲んでる時は、香りは良いけど、ただのお茶なんだもん)
最近、湯を注いでさらに茶壺にお湯をかけたとき、立ち上る香りにバニラのような甘いなにかが・・・そういうことなのか。
四季春茶
四季春を使ったお茶。当たり前ですが、品種固定のブランド。
翠玉茶
翠玉(台茶13号)を使ったお茶。当たり前ですが、品種固定のブランド。
この辺が、主な烏龍茶の種類です。この銘柄に、烘焙の具合がどうとか、発酵をどうしたとか、そんなこんなで加速度的にバリエーションが出てきます。
冬片
冬片とは冬茶を収穫した後に、摘まれる茶葉。軽発酵の冬片が個人的には好みです。
元々の単価が高く、高級品だから、作る側も丁寧に作っていて、外れが少ないとかそういうことなのかもしれませんが・・・
春茶
春(3月中旬~5月上旬)に収穫される茶。
茶畑によっては夏茶(5月中旬~6月下旬と7月上旬~8月中旬)、
秋茶(9月上旬~10月中旬)、
冬茶(10月下旬~11月下旬)なんてのもあります。
春は香り、冬は味なんだそうな。じゃあ秋と夏はなんだろう。東方美人が夏だけど・・・。
この辺は、収穫時期の区別です。
東方美人茶
別名がやたらいっぱいあるお茶(白毫烏龍茶、香檳烏龍茶、五色茶、椪風茶、膨風茶、福寿茶)。
名前が良いためか、おみやげ物として人気です。
台湾東北部の新竹県峨眉郷などが主要産地。
ウンカに葉を食わせているのが特徴(独特の香りと味わいが生まれる)。
厳密には夏に取れたものだけが、「東方美人茶」で、
その他の季節に取れたものは、「白毫烏龍茶」や「香檳烏龍茶」とするのが正しいようです。なお、
苗栗で作られたものは「苗栗椪風茶」。
地域固定、収穫の季節固定のブランド。台湾四大銘茶の一つ。
貴妃烏龍茶
ウンカに食わせた茶葉を凍頂烏龍茶の製法で仕上げたもの。921大地震(1999年9月21日)がきっかけで偶然できたもの。
この辺がウンカにわざと食わせて独特の風味を出したもの。
紅水烏龍茶
昔ながらの製法で作られることが多いらしく、発酵度が高く、焙煎もやや強めなのが特徴。
赤めの色(紅色)に近いお茶になるため、文字通り「なるほど紅水の烏龍茶」という感じです。なんかそのまんまの感想ですが。
いくつか飲んだのですが、いずれも飲んだものは蜜香(ウンカが葉を食べている)がブレンドされていました。
だから、本来の製法とはちょっと違うらしいです。(蜜香を混ぜるのが流行りなのかな。)
日月潭紅茶
南投県魚池郷日月潭で作られている紅茶。日本統治時代にインドからアッサム種が持ち込まれたのが始まり。産地固定のブランド。
蜜香紅茶
ウンカに食わせた茶葉で紅茶を作ったもの。様々な茶種、様々な産地で作られています、
(それにしても、やっぱり蜜香大流行。ウンカさんも大変だ)
この辺が台湾でよく目にする台湾産紅茶です。
三峡龍井茶
台北の海山郡三峡が産地で、「海山茶」の一種。産地固定のブランド。
台湾ではかなり珍しいのですが緑茶です。なお、「海山茶」とは、三峡近辺で作られているお茶の総称。
ちなみに、三峡は碧螺春(これも緑茶)の産地としても有名です。
港口茶
屏東縣満州郷港口村でとれるお茶。烏龍茶の品種を、緑茶の製法で作っているそうです。
現地の人は、氷砂糖を入れて飲んでいるとか何とか。近場なのでいずれ試したいと思います。産地固定のブランド。
2012年の12月に、とある方から、いただきました。
潮風にさらされるため、微量な塩分が含まれており・・・とかなんとか。
濃厚な感じがいたしましたが、塩味までは感じ取れず・・・。