三、需要から見た「学科運営の背景」
それでは次に、「サブカルをきちんと担当できる教員が欲しい」、その一方で「サブカルなんてものに興味を示すのは一部の学生である」という現状を踏まえ、この状態を学科運営の話と結び付けて述べていきましょう。
教員採用(=学科の人員構成)の話として述べるならば、
その一部の需要のために、専門の教員を用意する(雇う)のか。
という問題につながります。そして、
その手の講義を開講するという話だけならば、せいぜい数コマの特殊な科目の問題であり、
この程度のコマ数ならば、非常勤講師を雇えばよいのではないか。
という専任教員採用とは別の対処方法の一つとも密接に関係してきます。
(実際に、非常勤講師までは順調にコマを進めているオーバードクターの方も多いのではないでしょうか。)
実は、「サブカルをきちんと担当できる教員が欲しい」と言いつつも、専任がいないと困るのは、論文指導のときだけなのです。しかも、その問題ですら、学科運営上は、致命的な問題ではありません。なぜならば、卒業論文程度ならば、専門外でありつつも対応可能な教員がそれなりにいるからです。
と言いますのも、研究対象が奇抜なだけで、研究手法であるとか、問題設定であるとか、そういったものはサブカルだから特別というわけではないからです。修士や博士となると、専門家でなければ対応(指導)できないということもありますが、卒業論文程度なら、研究者と呼ばれる人種であれば指導できてしまいます。
た・だ・し・・・
専門とは異なるので、できれはそういう学生の指導は担当したくない。
これが、現状(本音)でしょう。
この需要とその周辺状況が理解できたならば、専任採用に関する指針のようなものも見えてくるのではないでしょうか。
ちょっと結論を急いだ言い方になりますが、
サブカル好きの学生が一定数は必ず存在するので、専門の教員が欲しいとは思っている。
しかし、専門の教員を雇うのは学科の人員構成的に無駄である。
とみなされているのです。そして、「専門の教員」とは、この場合「サブカル専門の教員」を指すのです。