台湾には、「五金百貨」という、
小中規模のホームセンターと簡易のスーパーマーケットが一体化したような店が存在する。
全国チェーン、地域限定チェーン、個人経営系と多種多様であり、
そこの工具コーナー(五金区)に行けば、家庭用のものならば、工具も部品もたいてい揃う。
ただし、この五金百貨の商品は、
工具に関しては、家庭用の製品、つまり激安品から中級品までを取り扱っている。
消耗品に関しては、定番のものであれば、激安品からプロ仕様の高額商品まで
混在して取り扱われていることが多い。
(五金百貨はどこも営業時間が長いため、消耗品に関しては、
プロが現場近くの店に緊急的に買いに来ることも少なくない。)
高価な消耗品はプロ仕様のため、品質に問題はまず無いのだが、
安目の消耗品、激安の工具に関しては、
はじめから手を出さないほうがよいというのが、私の経験からの意見である。
私自身、それで何度も痛い目を見ている。
激安の工具であっても、商品を手に取ることができ、
かつ自分自身で精度を確かめることができるほどの目を持っているならば、
比較的まともな品を選び出すことも出来るのかもしれない。
しかし、基本的には激安品=粗悪品と思っていたほうがよい。
値段的には、日本で日本製が1000円程度で売られていたならば、
台湾では日本製やドイツ製等が1200~1500円、
台湾製の同精度のものが800~1000円といったところだろうか。
500円以下の激安品は、たとえ台湾の会社名がついていても、
工場は台湾以外の国、つまり早い話が中国や東南アジア製の輸入品である。
安さだけがとりえなので、笑えるほど酷いものもかなり多い。
(日本とは番号の呼び方が違うため、サンプルとして一式適当につかんで買ったのだが、
派手な歪みに気がつかなかった。取り替えてもらう前に撮影。
品質というよりは、ただの検品漏れの部類なのだが、
これが実際に売られていた(店頭に並んでいた)のは事実である。
さて、一般的な製品はこの五金百貨で買うとしても、
もう少し精度の高いものや、あまり一般的ではない工具はどこで買うか。
答えは、やはり五金百貨なのである。
ただし、この五金百貨はプロ向けの店である。
先に説明した五金百貨とは違い、食品等の余計なものは置いていない。
便宜上、「業者用五金百貨」としておこう。
この業者用は、個人商店規模のところが多く、店舗も小さめである。
正直なところ、素人や少し詳しい程度の身では入りにくいような雰囲気をかもし出している。
また、 「業者用五金百貨」は、店ごとに得意ジャンルがあるため、
その店の専門(水道、ガス、木工、鉄工、車両整備等々)を見極めて探せば、
プロが日常的に使うものであればたいてい置いてある。
その上、もちろん取り寄せにも応じてくれる。
例をあげるならば、私は旧JIS規格のダイスをわずか2日で発注・購入している。