台湾料理は、美味い不味いで言うと...
…確実に美味いです。
ただ、日本人にとって、合う合わないでいうと...
…確実に合いません。
なぜなら油が多すぎるから。
この辺は、年単位で少しずつ慣れていくもので、
何度か旅行したくらいで慣れるものではありません。
例えば、来てすぐは自信満々に
「大丈夫です。美味しいです」と言っていた留学生が、
一ヶ月程度で、ゲンナリとしている様子は、もはや風物詩のレベルです。
そもそも旅行なんて数日、長くて1~2週間で、
こんなものは旅のハイテンションで実は胃腸に負担がかかってることなんて
気にも留めずに通り過ぎる人も多いわけです。
留学も数ヶ月から長くて数年。
終わりが見えてるから、いくらでも頑張れる。
いくらでもは言い過ぎでも何とかなるよね…。
駐在だって、年季奉公は5年から長くて10年。
まあ何とかなります。
日本の感覚で支給される給料があれば
日本料理屋に入り浸れるし、
家族と一緒ならば配偶者が作ってくれることだって…。
でも、現地採用で働くことになったり、
それこそ台湾人と結婚するという話になると、
数十年、もしかすると一生、台湾に住むことになります。
その場合、家族全員が高給取りでなければ、
日本料理を食べ続けるのは難しいでしょう。
※台湾では、日本料理は高級料理と考えられています。
比較的廉価な店もありますが、そういうのは「なんちゃって」の類で、
食べると寧ろ精神的にくるものがあります。
(もちろん、現地の人たちには美味しいらしいですが。)
移住なんてのは、つまり十年単位の話なわけです。
少しアプローチを変えましょう。
これは、ある種の現実なのですが、
「台湾料理が好き」なんていってる時点で
本当はさほど慣れてもいないし、
そんなに好きでもない
ってことなんです。
なぜなら…日本人は日本料理で育っている。
まあ、当たり前なのですが…。
年間1000回以上の食事をしています。
留学だの結婚だのを意識する頃には
軽く数万食を食べているわけです。
そして、ごく普通の日本人が
「日本料理が好きです」なんて意識して食べておりません。
少なくとも私はそうです。
当然、細かな好みはあるけれど、好きとか嫌いとか
そんな次元をとうの昔に通り過ぎて食べ続けられるのが、
日本人にとっての日本食。
いちいち「好きです」なんて言う必要のないくらい大好きなのが
日本人にとっての日本料理なのです。
ここには、洋食や日本人好みにアレンジされた各国料理も含みます。
同じことは
台湾人にとっての台湾料理(台湾中華)にも言えるわけですが、
年単位、十年単位で形成された味覚の差…
そんなに食文化の壁って小さくは無いかと。
もちろん例外ケースもあるわけですが、
例外を基準にしてものを考えること自体がおかしいのです。