台湾の工業製品と聞いて、若干の不安を覚えた方はいないだろうか。
ある意味、しかたがない部分もある。
世界的な認知では、
中国、香港、台湾、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア等々、
アジアに詳しい人でもなければ、完全に区別できる人は希であり、
途上国イメージがどこまでも付きまとう。
しかし、現実には、台湾は先進国レベルといってよく、
IT産業が盛んで、精密な工業製品も製造している。
例えば、基本的な部品であるネジを例にすると、
2016年時点で、世界のネジの1/6が台湾産である。
(この説明をせずとも、
日本の大手家電メーカーが台湾企業に買収されたことで、
ある程度の想像が働くかと思う。)
もちろん普及品から、精密な製品までグレードは様々であり、
途上国イメージを髣髴とさせる粗悪品も、確かに存在している。
しかし、近年、台湾内に中国からの輸入品も流通するようになったため、
低価格路線での勝負をしたとしても、中国製に太刀打ちできなくなっている。
そのため、残された選択としては、中級品以上の製品を作るしかなくなっている。
そしてそれは、アジア内では日本や韓国と精度を競うということであり、
世界的にはアメリカやドイツ製品とも比較されることである。
つまり、かなり高品質のものを製造しなければ生き残れないという・・・
本来、台湾の気質的に、「口金のサイズさえあっていればいいだろ」的な、
適当に作る部分が確かにあったのだが・・・
なんとも不可思議な淘汰が起きて、精度がぐんぐん上がっている。
このような状況のため、台湾製品に関しては、
超高精度を要求する精密機器工場のような場所ならばいざ知らず、
近所の雑貨店で適当に買った場合でも、家庭用レベルで問題が起きることはまずない。
しかし、先述のように、粗悪品がまったく存在しないわけでもない。
現実に台湾にも中国製の激安品が町中にはあふれており、
製品をよく見てから買わなければならない。
同じ中国産の激安品であっても、
100円ショップの工具がそれなりに使えてしまう日本の検品レベルとは、そこは異なる。
どうしても不安であれば、若干割高ではあるのだが、
技術に定評のある国の製品も輸入されているので、それを買うという選択をしてもよいだろう。
まぁ、「羅伯特博世」がRobert Bosch、
日本ではボッシュ(BOSCH)と呼ばれるあの有名メーカーだと
わからないと、話にならないわけだが・・・
ただ、ボッシュに関しては、英字(BOSCH)を書けば、業者用五金なら対応してもらえるかと。
普通の方の五金百貨はどうなんだと聞かれそうだが・・・
ご心配なく、もともと置いていないことがほとんどなので、聞く必要すらない。
台湾国内の通販で手に入れたボッシュのドリルビット。
こだわってはいなかったのだが、ノーブランド品はセット売りばかりで
一本売りは、そのショップはボッシュしかなかった。