最近、手頃な価格の旅行手段として、ゲストハウスの利用が注目されているようです。
その利用を全面否定するわけではありませんが、以下のことに留意していただければ幸いです。
ゲストハウスは、台湾の文化的には、
ゴロツキやチンピラを含めた最下層の輩が泊まる場所と認識されています。
「そのような場所」に出入りしているような者は、差別対象です。
それが旅行者という立場補正、及び日本人という国籍補正で、
多少マシに見られはしますが、それでも基本的には、犯罪者予備軍扱いされても仕方ありません。
(台湾人でも、旅行であれば1500NT前後のビジネスホテルには泊まります。
経費の少ない出張であったとしても、ゲストハウスを利用する人はまずいません。
現地の貧民、またはそれ以下の外国人をあなたは信用しますか。)
しかも、大学生とかならともかく、働いているであろういい年をした人間が、
バックパッカーをしているなんてのは、「ダメな奴認定」されても文句は言えません。
きちんと働いている大人(目安として20代後半以上)が、
「安ホテル代すらも払えない奴」認定されるのは、相当に痛いです。
実際問題として、働いていれば多少安月給でも、
年に数回(連休ごとに)数日過ごすパターンのヘビーな旅行者でも、
台湾の相場なら十分にホテル代が払える程度の給料はあるわけで、
それを払えないというのは、台湾の社会的に問題視されます。
(一定の年齢を超えると、宿代をケチって他に回したい、回数来たいは、
理由になりません。
「ケチらず、普通に複数回来れるだけの収入を得ていない」
=「底辺をうろつき続けている」
と見られてしまいます。)
また、オーナーや従業員の努力によって、どんなに清潔で、快適な空間を作ろうとも、
偶然居合わせる同室のメンバー次第で、
環境が簡単に左右されたりなんてのは、変えようがない部分です。
ゲストハウスの営業形態上、どうしても避けられない最大の弱点/欠点といってもいいでしょう。
(今日この日のカーテン越しの隣人が、確実に善人である保障はないのです)
したがって、利用客各自での自己防衛が必須となります。
身を守るための基本的な行動(貴重品は身につける、そもそも極力持ってこない等)や
心構え(宿のオーナーがグルである可能性すら考慮していく等)、
鎖・ワイヤー・南京錠等の自衛グッズを用意しておくこと、
それらの使い方(ロッカーに入らないカバンはチェーンでベッドにくくりつける等)
はネットで学べます。
このような理由があり、旅慣れた若者が、バックパッカーが集う場所の危険性を理解した上で、
それでもゲストハウスを選ぶのであれば、それは個人の自由(=自己責任)です。
しかし、ろくな情報/技術も持たない、危機管理(危機対処)能力がまだ低い人(初心者等)に、
安易に勧めることはやめるべきだと考えます。
それこそ最初の数回は経験者が一緒に泊まり、自衛の手段や行動を教えるくらいの配慮が必要です。
(真にベテランのバックパッカーであれば、それは可能であり、
それこそ、知人に貸し与えられる予備の自衛グッズも持っていることでしょう。)
つまり、ゲストハウスならではの魅力を伝えるだけではなく、
ゲストハウスの危険性や回避・対処法等を同時に伝えなければ、
それは欺瞞であり、不親切でしかないのです。
あるいは、高齢バックパッカー(=ダメな大人)の自己弁護なのかもしれません。
くれぐれも、魅力的な情報だけに目を奪われることのないようご注意ください。