修理のために部品や工具を揃える必要がある。
じゃあ・・・それらの名前は、台湾ではなんと言うのか。
試しに、いくつかの辞典を引いてみよう。
一般的な厚さの『日中辞典』(8万語)では、
スパナ(扳手)はあるがメガネレンチ(梅花扳手)は出てこない。
レンチ(扳手)の項目も別にあり、
そこにはモンキーレンチ(活動扳手)も出てくるが、それだけである。
ソケットは、電気関係のソケット「插座」は出てくるが、
ソケットレンチ(套筒扳手)は出てこない。
11500字収録の『中日辞典』では「扳手:スパナ」の項目はあるが、
メガネレンチ(梅花扳手)やソケットレンチ(套筒扳手)はない。
その他『日中外来語辞典』を見ても、
工具に関しては一般的な辞書と同じ程度の収録であり、
『日中技術用語辞典』の類なども、
上記の辞書をベースに多少増やしたかどうか程度のレベルで、
おそらく(というか、ほぼ間違いなく)
現場の実用レベルに達していないのではないかと思われる。
なお、私が長年所持していた『日中技術用語辞典』の類では、
工具に関しては、一般の辞書と変わらないレベルであった。
一般の辞書から技術関係の用語だけを抜き出し、
検索しやすくしているハンドブックとでも言おうか。
それはそれで、それなりに便利ではあるのかもしれない。
しかし、あくまでそれだけのものであり、圧倒的に語彙数が足りない。
だいたい、スパナだけ分かっても・・・。
いや、ないよりはマシではあるのだが、あくまでその程度なのだ。
それでもプロの翻訳・通訳者ならば、「扳手」の語を手がかりに、
メガネレンチやソケットレンチの訳語を探し当てることは可能だろう。
私がたどり着いていったように・・・
1 スパナ 開口扳手(平行雙開口扳手)
2 メガネ 梅花扳手(平行雙梅花扳手)
3 フレアナット 煞管扳手 油管扳手
4 コンビネーション 梅開扳手(平行梅花開口扳手)
5 フレックスソケット 可彎頭套筒開口板手 搖頭套筒開口扳手 萬向套筒開口扳手
とはいえ、
T型ソケットレンチハンドル、スライドハンドル、T型ボックスレンチ、
T型プラグレンチ、T型六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)、T型トルクスレンチ・・・
これらの区別が付く翻訳者はどのくらいいるのだろうか。
まして、細かな分類として、
フレックスタイプ(首振り)、ラチェット付き、ロングorショート、
表面加工だけをとっても梨地、鏡面(ミラー)、黒染・・・
コンビネーションレンチ色々
1 メガネの角度が0度で薄型
2 メガネの角度が0度で一般型
3 メガネに角度(10度)がついている
4 メガネの角度は0度だがラチェットタイプ
5 メガネが首振りでラチェットタイプ
6 メガネの首の角度が45度