泡碗(泡茶碗・幹泡碗・煮茶碗)/煮茶器(煮茶爐)
「碗泡法」等と呼ばれる淹れ方(作り方)の時に使われる道具です。
この「碗泡法」では、茶壺ではなく、碗に茶葉を入れ、
そこにお湯を注ぎ茶のエキスを出していきます。
(文字通り碗で泡する=つまり「碗で淹れる」方法)
この泡碗は、重量的・形状的に碗を持ち上げにくいので、
(たとえ持ち上げられても、小さな茶杯には注ぎにくい)
水勺(分茶杓・碗勺)を使い茶杯に茶を分けていきます。
元々は小さ目の碗(大き目の蓋碗)で茶を作り
レンゲ程度の大きさの匙(というかレンゲ)を
使って小茶杯に注いでいたようですが、
人数であるとか、見た目であるとか、様々な要件が重なり、
現在見られるような状況になりました。
ただし、現行の「碗泡法」に、完成形と言えるものが存在するわけではなく・・・
(何を以って完成とするかは難しいのですが、
例えば、茶壺を使う淹れ方ならば 或る程度のパターン数に分類できます。
が、この「碗泡法」は「碗泡法」という名前すら統一された表記ではなく、
道具名にいたっては、メーカー毎にバラバラな状態です。)
いまだに迷走中というか、試行錯誤の最中と言いますか、
大きめの碗に茶葉を入れ湯を注ぐところまでが「碗泡法」の変わらない部分で、
水勺を使わず人数分の碗を出していたり(一人当たりの茶の量がかなり多い)、
碗ごと炉にかけたり・・・(煮る必要はあるのでしょうか…)
そんなわけで、煮茶碗とか炉を煮茶器(炉)とか言っていたりもします。
(最初に紹介した淹れ方は、茶芸的に動きが美しく(無駄が無い)、
茶を淹れるという工程で、理にかなっている、
と私が判断しているので一例としてあげました。)
(↓ 抹茶用の茶碗として購入した泡碗)
(↓ 水勺とあわせてみる。この水勺には少し泡碗が小さい。)