これは私の本来の専門である中国哲学に最も近いテーマです。
幕末の志士・橋本左内の研究です。
橋本左内に関しては、日本史系の研究がすでに大量に存在する状態でした。
したがって、同じことをしても、あまり意味は無かろうということで、
ほとんど研究されていない左内の漢詩を研究対象として、
「漢詩人としての橋本左内」に焦点を当てた研究をしています。
(とある研究者達が半分趣味で読み合わせをしていた、
その勉強会資料の草稿を遺託されたことが、研究を始めることになったきっかけです。)
具体的な作業としては、未読の資料である左内の全漢詩、約460首を、
ほぼ毎年、切りのいい分量ごとに、訓読文と現代日本語訳をつけて発表しています。
その他にも、時期(左内の活動の節目)的な漢詩の特徴や、
漢詩から見られる左内の思想等について研究しています。
漢詩の分量が膨大なので、完訳までは、まだ10年以上かかる見通しですが、
何とか私の代で終わらせ、次世代につないでいきたいと思っています。
2018年追記:
2018年3月に三重大学出版会より研究書が出版されました。
詳細はこちらをご覧ください。