台湾でも、AT限定を取る人がかなり多いらしく、
「今時MTなんて・・・ホワイトカラーが何でそんなもの要るんだ」
と不思議がられる。
(台湾は階級社会で、その程度の資格類でもかなり分かれる)
「実家というか本家が農家で山をもっているんだ=トラックに乗ることがある」
という理由で通している。ま、本当は個人的な趣味なのだけれど。
郊外よりとはいえ街中にある普通乗用車限定の小規模自動車学校なので、
MTはほとんど台数がない。
習う人も少ないので、経営的にそれで問題はない。
が、誰も取らないため、新車を購入していないようで、とにかく古い。
一番最初にあてがわれた車は、30年以上前のサニー303GL。
ナンバーが付いていない場内専用車。
シートベルトは壊れ、ハンドルのカバーは汚く剥がれ、
電子系統の不具合も多々、エアコンなんかはもちろん壊れている。
代わりに小さい扇風機が無理やり取り付けられているが、
回すと車のバッテリーが上がりやすくなる上、エンジン音が聞き取りにくくなる。
だいたいシフトカバーも破れ、そこから地面が見える、つうか何より油臭い・・・。
なんだよこれと思ったが、
MTはシフトチェンジに慣れるまで
破損の可能性があるからこれでいい、とされているんだろう。
整備はしているようだが、とにかく古い。
案の定、シフトチェンジも常に違和感。
いままでかなり無理やり使われたんだろうな・・・おじいちゃんなのに気の毒・・・。
どんなにソフトリー アンド ジェントルマンリーに扱っても、Rは絶対ギャリギャリ鳴く。
少しでもタイミングがずれるとガコッとギヤをはじいて受け付けない・・・この頑固者め!
おまけに常に全身がビリビリ・ガクガク(車体の剛性絶対・・・)、
エンストしそうになる0.5~1秒前は全身を震わせて猛抗議。
ある意味とても分かりやすいが、どう考えても「初心者向け」じゃない気がする。
一週間後、試験で使うナンバー付きに乗り換える。
同じくサニー。20年落ち位。やっぱり古い。
でも10年違うと全然違う、ギアが滑らか。なんかニュルニュルとギアが入る。
・・・気持ち悪い・・・、いや本来は多分こうなんだよな・・・。
しかし、やっぱりエアコンは付いているが壊れている。そして小型の増設扇風機。
同時に路上(一般道路)に出だす。
車種はトヨタのヴィオス。5年落ち位なので、素材のにおいも少し残っている。
自動車学校の宣伝にもなるので外回りは良い目の車なんだろう。
パワステなのでハンドルが軽い、いや、軽すぎて気持ち悪い。
二回転目って白目剥きながら気合で回すもんだろ?
車体は全体的に厚みがあるけど見切りがいい。
なんか色々操縦しやすい。クーラーが動くことに感動する。
うおっ!メーターパネルがデジタルだ!科学技術の結晶じゃん。
でも、あまりにイロイロ快適すぎて逆に気持ち悪い。
全身で不具合を伝えてくれる重ステ30年おじいちゃんサニーが懐かしい・・・。