二基現存
所在地;
案内板;柱標あり
塚木;あり
北緯 39.48.07/東経 141.09.58/AL 192 付近
現在(令和元年)も有るはず。少なくとも10年前には存在した。
曖昧な言い方になるのは簡単には行けない場所にあるから。
小野松一里塚から北の奥州道中は四十四田ダムにより水没している。それでも笹平集落(数軒しか家は無いが)付近は標高が上がって来ているため、辛うじて塚が見える。とはいえ、満水時には水没し、島のようになっているという。植物が生い茂り、道も無い。
その為、最初に見に行った時には冬に行った。塚まで辿り着いたが、帰りに車がスタックし往生した。
その後、笹平集落と塚の間に堤防が出来た。益々行きづらくなったが、行ってみたら誰かが「笹平一里塚」の看板をたてていた。
また、道路脇にはこの頃役所が柱標を設置している。その為、道路脇に塚が有るように感じるが、もっと下である。
実は、ダムの取り付け道路の笹平橋からダムを見下ろすと塚が見える。怖いくらい水面から高いので気を付けて。
タイミングが合えば東北新幹線の車両も通ります。
そして、近年の温暖化と豪雨に絡んでもう一つ気になるニュースが。
「四十四田ダム10年で強化
NHK盛岡 2019/11月13日
盛岡市と滝沢市にまたがる四十四田ダムでは近年豪雨が相次いでいることから縁の高さを引き上げて貯水量を増やすため今年度から工法の検討などを始めています。
ただ完成までには10年を見込んでいて国の担当者は「早期に整備できるようにしたい」と話しています。
四十四田ダムは盛岡駅から北に6キロほどの北上川上流にあり昭和22年のカスリン台風や翌年のアイオン台風で流域に水害が相次いだため昭和43年に整備されました。
その後、水害は大きく減ったものの、平成25年9月の豪雨ではダムの計画を大きく上回る流入量を記録したほか、平成29年までには北上川上流域の1時間あたりの最大雨量がカスリン台風を3度も上回るなどしています。
このため、国は去年、四十四田ダムのコンクリートや岩石でできた縁の高さを最大2メートル引き上げることに決め、今年度から工法の検討や環境調査を始めています。
かさ上げされれば貯水量は1.2倍に増え、浸水リスクは大幅に軽減されるということですが総工費は300億円に上り、完成までに10年を見込んでいるということです。
北上川ダム統合管理事務所の槇田雅士副所長は「盛岡市をはじめとする下流域の安全安心のために早期に取り組んでいきたい」と話しています。」
2m嵩上げという事は、ダムの水位も上がる訳で、いよいよ笹平一里塚も水没してしまうかも。
以前のサイトより「奥州道中は小野松一里塚からしばらく北は,、現在南部片富士湖(四十四田ダム湖)に水没しており歩くことは出来ない。現行道路はダム建設時に付け替えられたもので水面よりかなり高いところを通っており、見下ろす形。
笹平一里塚の位置は確定しているが、夏場は草木が生い茂り発見は困難。増水期には水没するようで、見やすいのは初冬か。
ここも改めて探索してみた(0901)。ダム湖の水量は夏とさほど変わらないが、付近に生い茂っていた草もすっかり枯れ塚も見つけやすそうだ。
現在の道路から住居がある敷地脇を通り、徒歩で湖畔に向かう。場所の目星はついているため一直線だ。付近は雪が降り積もり音のない世界。その中に目的の笹平一里塚はあった。意外だが、塚の柱標がありすぐ分かる。木の棒に塚名を記入したもので簡単なものだが、最近個人が立てた物だろうか。
この塚は西塚のようで、道路様の窪みの反対側は間知ブロックの擁壁があり、そちら側にも塚状の盛り上がりらしきものが見えなくもない。
[岩手県「歴史の道」調査報告 奥州道中]では渇水期に塚を見ることが出来ると記入されていたが、付近の植物の生え具合を見ると普段は水没していないようだ。ただ、大雨の時などは水流に削られているだろうから将来的にはなくなってしまう事も考えられる。なお、[奥州街道紀行]パンフレットには増水期の写真が載っている。それを見ると水面に小島のように塚が浮いている。
小野松一里塚から昭和43年完成の四十四田ダムに沈んでいる奥州道中はこの付近から標高を上げ水面から再び現れる。この付近は現在も交通量が少なく、日中も寂しげだが、ある意味往時の奥州道中の雰囲気を良く残している地域と言えるだろう。特にこの付近から眺める岩手山は格別だ。」
令和元年晩秋、再度訪問してみた。写真の丸で囲んだ部分が一里塚。堤防が出来たと思っていたものは、ダムの管理道路のスロープのようだ。いずれにせよ集落からはかなりかさ上げされていて通ることが出来ない。どころか、スロープも関係者以外通行止めだ。
つまり、立ち入り禁止ということか。ダム敷地といえばそうかもしれないが…。冬は道路脇から見えるが、夏は鬱蒼としていて厳しい。
では、柱標はどうかと見てみると、ガムテープで隠してある。隠すならたてるなよ、とも思うが、何らかのクレームでこうなったのだろう。
いづれ、「幻の」一里塚化が進んでいる状況だ。