テスト作成のための材料・参考資料
学習指導要領に基づくスピーキング評価に関する資料まとめ
都道府県教育委員会などが作成した資料(簡易版)
国からの資料の補助として、参考になるハンドブックや事例を選んでみました(2022年10月)。
都道府県教育委員会などが作成した資料(包括版)
都道府県教育委員会・政令指定都市教育委員会 ・ 全国の教育センター のウェブサイトには、役立つ資料がたくさん掲載されています。しかし、県や地域をまたぐとその存在が知られていないことも多く、ぜひたくさんの方に知って有効活用していただきたいとの思いから、検索・整理してまとめたもの(2022年6月現在)を公開しました。
スピーキングタスク例 評価基準や回答例はなくても、タスク作りに役立つ例を集めました。
ハンガリー中等教育修了試験 英語スピーキングテスト タスク原案
2002年にハンガリー全国中等教育修了試験(=高校修了程度)の英語テスト改革プロジェクトの一環として作成された、様々なスピーキングタスクの原案を集めたページ(英語)です。プロジェクトを率いた、英国ランカスター大学が公開しています。
タスクの種類は、Interview Questions(質疑応答)、Situational Tasks(ロールプレイ)、Individual Long Turns(写真を見ながら即興で発表)の3つがあります。時代的にも古い原案なので、もちろん改善の余地(写真の古さなど)はあるものの、現在でも非常に有用なリソースです。
アメリカの15の州で構成される WIDAコンソーシアムが開発・実施している4技能英語力テスト。正式名称はAssessing Comprehension and Communication in English State-to-State for English Language Learnersで、米国内で生活し学習する、英語を母語としない生徒の英語力を幼稚園(Kindergarten)から高校卒業(12年生)までのレベルに分けて測定します。
Practice questionsのページ右側に、非オンラインテスト用の練習タスクが載っています。メニューから各学年(Grade)のSpeakingをクリックすると、PDFでタスクや指示文が見られます。(回答例の録音もありますが、「外国語としての英語」ではなく「生活し学習するための英語」なので、速度や内容はあまり参考にはなりません。ですが、タスクの絵の使い方は学ぶところが多いです。)
スピーキングでは、どのレベルでも「絵を使ったタスク」が課され、面接官の質問に答えながら進みます。
小学校低学年ではシンプルな1枚の絵を描写しますが、高学年になってくると、絵に理科の実験道具などが描かれ、学習科目の用語の知識も問われます。中学校ではコマ割り漫画のようにストーリーを話す形になり、高校生では複数の絵を基にした意見表明タスクになります。
東京都教育委員会によってデザインされたテスト。音読や、絵をもとにした状況描写、質疑応答といったタスクが課されます。過去問題(プレテスト問題)が数セット公開されています(例:プレテスト②の問題)。
また、東京都国際教育チャンネルには、中学校「話すこと」のトレーニング用のタスクの動画があります。回答例も(本物の中学生の発話ではないものの)見ることができます。
語彙やフレーズのレベル判定ツール 音読用の文や回答例を作るときの参考に
英単語を入力すると、該当するCEFRレベルを知ることができます。多義語では意味ごとにレベル分けされています。CEFRレベルの付与は、ケンブリッジ大学テスト機構主導のEnglish Profile研究プロジェクトを通して行われました。詳しい説明ページはこちら(英語)。
Trinity College LondonのGESEテスト受験者の発話を、約2000人分集めてデータ化したコーパス。リンク先にコーパスのURLと利用のためのパスワードが記載されており、誰でも使うことができます。単語やフレーズを検索すると、それが含まれる発話や受験者のレベルを見られます。受験者の第一言語や性別、年齢などによって結果をソートすることも可能です。
ウェブ上の英語テクスト分析用ツール。登録無料。故Stephen Bax教授(英国ベッドフォードシャー大学/オープン大学)によって開発されました。
ウェブページに文章を貼り付けてAnalyseボタンを押すと、その文章のリーダビリティや文の複雑さ、含まれる語彙の多様性、含まれる語彙が各種コーパスによる頻出単語リスト(英英語BNC、米英語COCA、アカデミック語彙AWL)のうちどのレベルをどの程度占めているか、などが出力されます。「この英語の文章、どのくらい難しいんだろう?」という疑問に答える一助となります。
大量のテクストを分析したい場合や、各CEFRレベルの語彙(上記のEnglish Vocabulary Profileに基づく)がどの程度の割合で含まれているかを知りたい場合は、有料会員になる必要があります。
◯ English Level Checker: CEFRレベル判定ツール
◯ CEFR-J 本体: 日本語版, 英語版
◯ CEFR-J Wordlist
◯ CEFR-J Grammar Profile
◯ CEFR-J Text Profile
◯ CEFR-J CAN-DO テスト
◯ ELP CAN-DO Descriptor Database
やり取りする力のチェックリスト
やり取りを聞きながら、特徴をチェックし、生徒に強みと弱みをフィードバックすることができます。やり取り力に含まれる様々な要素の理解も深まります。Nakatsuhara他 (2018) の研究はCambridge Assessment Englishに助成を受けたものです。
簡易版の翻訳版
簡易版(pp. 67–78; Appendix 6: IC checklist and feedback [Concise version])
PDF Word
完全版の翻訳版
完全版(pp. 62–66; Appendix 5: IC checklist with accompanying descriptions and feedback for learners [Full version])
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出典
Nakatsuhara, F., May, L., Lam, D., & Galaczi, E. (2018). Learning oriented feedback and interactional competence (Research Notes, Vol. 70). Cambridge Assessment English.
https://www.cambridgeenglish.org/Images/517543-research-notes-70.pdf
https://www.cambridgeenglish.org/english-research-group/published-research/research-notes/ (Issue 70)
このチェックリストの項目で、実際にどのような発話が見られるかを知りたいときには、以下の論文が参考になります(実際のビデオの例あり)。こちらも徐々に翻訳して公開していきます。
Lam, D. (2019). Enhancing learning-oriented feedback for Cambridge English: First paired interactions (Research Notes, 75).
https://www.cambridgeenglish.org/Images/555679-research-notes-75.pdf
https://www.cambridgeenglish.org/research-and-validation/published-research/research-notes/#
Checklist開発について、こちらの論文でも報告されています。
May, L., Nakatsuhara, F., Lam, D., & Galaczi, E. (2020). Developing tools for learning oriented assessment of interactional competence: Bridging theory and practice. Language Testing, 37(2), 165–188. https://doi.org/10.1177/0265532219879044
翻訳に当たってはCambridge Assessment Englishよりご許可をいただき、ありがとうございました。
We appreciate Cambridge Assessment English for letting us translate the checklists into Japanese and present them on our website.
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