スピーキングテストの採点

スピーキングテストを採点する方法を紹介します。


スピーキングテストの採点では、採点を適切に行い,信頼性を確保するため,採点前,採点時,採点後に以下のような点に注意する。

(1)採点前:採点者トレーニングの手順

ルーブリックを作成し、採点の手順・注意点をまとめる。

他の採点者にルーブリックを丁寧に説明する。

③採点者は, 発話サンプルを聞き,ルーブリックを使って,まずそれぞれ一人で採点

採点者同士で点数(または評価)を比較し、点数が異なる場合、話し合い,ルーブリックや採点方法を調整。

留意点

*発話サンプルとして、これまで録音や録画した実際の発話を用いたり、それがない場合は想定される発話を書いて、音声読み上げソフトなどを利用するのも良い。

*想定される問題点(例:スピーキングの途中で話すのを止めてしまった生徒など)への対応や評価なども確認しておくと良い。


(2)採点時

①できれば複数の採点者で採点する。難しい場合,最初の数名だけ複数名で行い、評価を確認するだけでも,信頼性の向上のためによい。

②採点者トレーニングができなかった場合,採点開始後(例えば、最初3名のパフォーマンス後)に採点者間のズレがないかを確認し,基準を調整。

③ルーブリックやトレーニングで話し合った資料を手元に置いて,採点に迷う場合などに参照する。

④後で確認ができるよう生徒の発話はすべて録画や録音をしておくとよい。



(3)採点後

①複数名で採点した場合、採点者間で点数を比較し,大きな違いがなかったか確認する。ずれがあった場合には、

(a) 2名の平均をとって、それを使う。または2名で話し合って点数を決める。

(b) 3人目が採点をする。3名の平均をとる、または、3名で話し合うか、3人目が経験のある採点者の場合には、3人目の点数を使う。


1名で採点した場合、最後の採点の後、録音または録画した最初の頃のパフォーマンスをもう一度採点し、採点基準にブレが生じていないか確認する。


③最終的な点数を決定する。複数の採点者がいるときには,平均点を使うか,大きくズレがあったところは再採点して点数を決める。


📚FURTHER READING

小泉利恵(編)(2022).『実例でわかるスピーキングテスト作成ガイド』 大修館書店

  (2.2 STの作成)

小泉利恵・印南洋・深澤真(編)(2017).『実例でわかる英語テスト作成ガイド』 大修館書店  

 (2.2.2 スピーキング)

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