スピーキングテストの作成

スピーキングテストの作り方を紹介します。


(1)テストの目的と測りたい能力を明確に


 ①スピーキングテストの目的

 教育現場では一般的に、到達度テストとして、生徒が授業で学習した内容をどの程度身につけたかを測ることが目的になる。

 

 ②測りたい能力

 測りたい能力は,言語能力の場合が多いが,観点別評価の「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」なども評価対象となる。学習到達目標や授業での学習内容と照らし合わせ,テストで測る能力を決定したい。

 (例:「準備すれば短いスピーチができる力」や「質問する力」「会話での対応力」

  「即興で話す力」など


 ・なお、スピーキングテストは、年間や単元、授業の目標を達成するために行い、授業での言語活動と関連づける必要がある。目標、評価、指導と逆から考えていく逆向き設計も意識しながら、(1)~(3) を考えていきたい。



(2)タスク形式の選択

次にどのようなタスクを行うかを決定する。タスク形式の種類は、主に以下の3つに分けられる。


①モノローグ型(スピーチ、プレゼンテーションなど)

②教師との対話型(インタビューなど)

③生徒同士の対話型(ディスカッション、ディベートなど)

 

タスク形式の選択にあたっては、①測りたい技能を測るにはどのタスク形式が良いか、②授業で行った活動、または現実世界で実際に生徒が使う活動に近いタスク形式は何か、③実施しやすいのはどのタスク形式か、などを考慮して選ぶとよい。

 


(3)評価方法の選択

タスクで引き出したパフォーマンスの評価方法を選ぶ。たとえば教員が生徒に質問し、生徒がそれに適切に答えられたかどうかなど短い発話の場合は、各設問を正解・不正解で採点・評価する(以下のルーブリックを使うことも可能)。

一方、スピーチやディスカッションなどある程度まとまりのある発話の場合は、総合的に1つの得点を与える総合的評価と、評価の観点ごとに得点を与える分析的評価がある(図参照)。

なお、まとまりのある発話には、ルーブリック(評価基準)が使われることが多い。当ポータルサイトの「スピーキングテストの実例と解説 」を参照されたい。

📚 テスト細目のテンプレート

ST specification template20221117.docx

📚 FURTHER READING

小泉利恵(編)(2022).『実例でわかるスピーキングテスト作成ガイド』 大修館書店

(2.2 STの作成)

小泉利恵・印南洋・深澤真(編)(2017).『実例でわかる英語テスト作成ガイド』 大修館書店

 (2.1.2 テストの作り方, 2.2.2 スピーキング, 2.3.1 産出型タスク形式, 2.3.2 受容型タスク形式)

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