Google GeminiはGoogleのAI関連で使われている名称です。
GoogleでAI関連と言っても複数のサービス等がありますが、一般ユーザー向けに提供されているのがAIチャットサービスのGoogle Gemini Appです。
Gemini Appは https://gemini.google.com/ やスマートフォン用の専用アプリで利用できます。
Geminiのように人間のように返答するサービスは、「AIチャット」などと呼ばれるサービスで、日々より正確で的確な内容を返答する要用に改善されています。
必ず覚えておきたいのが、常に正しい事を返答するわけでは無く、常に正しく動作するわけでもないということです。
答えた内容は必ず別途確認して活用してください。
よくある質問はGoogle Gemini App FAQ でもまとめています。
Geminiは本来双子座を意味する言葉で、ラテン語のgeminusが語源です。
Geminiは日本語ではジェミニと読む事が一般的ですが、英語では一般的に「ジェマイニ」のような発音になります。
AIチャットサービスは、以前からありましたが、OpenAIのChatGPTが2022年11月に人間のように答えるサービスとしてプロトタイプを公開、2023年初旬には一般ユーザーにも広まりました。
その状況からGoogleも2023年2月にBardというチャットAIサービスを発表、3月にサービスを提供しました。
その後、Google社内のAI関連サービスの開発も急速に進展し、AIモデルの名称としてGeminiという名前が2023年12月6日に公表されました。
チャットAIサービスの名称「Bard」も、2024年2月8日に「Gemini」にかわりました。
チャットAIサービスとしてのGeminiはマルチモーダルと言われる、テキストチャットだけではなく、画像、音声なども出力できるサービスです。
GeminiやChatGPTなどのチャットAIが2023年頃から急速に進化していった理由はこの文章後半で説明しています。
Gemini Advancedで選べるAIモデル (2025年5月現在)
どのAIモデルを使うかで、得られる結果が異なる。
Googleは自社で学習させたGeminiのモデルを、Open AIは自社で学習させたGPTのモデルを使用しています。
それぞれのモデルによって出力される内容は大きく異なります。
各モデルは各社定期的に新しいものが提供されるなどしています。
チャットAIサービスは、人間のように返信します。
誰かが作った定型文章などを返信しているのではなく、大量の文章などを学習して、それらの文字間の関連を計算しているからです。
たとえば、日本語で「こ」の後に来る文字は「ん」の可能性が高く、そのあとは「に」になる可能性が高いという事を大量の文章から学習し「こんにちは」と返信できるようになります。
「こんにちは」は「挨拶」。「挨拶されたら挨拶を返す」というような流れを学習して、その結果が出力されているだけです。
GeminiのようなAIは、この学習(Learning)が非常に重要で、各社がいかに高品質な物を提供できるかを各社が争っています。チャットAIサービスで出力結果に直接影響が出るのが、AIの学習結果のデータとなるAIモデルです。
この学習モデルが前述した、選択出来るモデルです。
この学習した結果の学習モデルから、結果を出力するための推論(Inferance)するサービスが、チャットAIサービスのGeminiです。
学習と推論では内部での動作が全く異なります。
チャットAIのようなサービスは、元にする様々なデータを学習し、その学習結果のAIモデルを作成し、そのAIモデルを使って推論し、チャットの答えを出します。
チャットAIが学習に使うデータは1万や100万程度の少ないデータではなく、少なくとも億単位、数百億以上のデータから学習しています。このような大規模な学習は、一般のパソコン等では事実上出来ないため、専用の学習用の大規模なサーバーで処理されています。
この学習した内容の推論は学習とは異なる方法で計算して出力されます。一般的により正確な情報を出すためには大きな学習データが必要になり、その大きなAIモデルから推論するにもそれなりの規模のコンピュータが必要です。
この推論にも大規模なサーバーが必要になっています。
一方で、小さめの学習や推論は一般のパソコンやスマートフォンでも可能になっています。
2024年程度から徐々に利用できる機能が増えつつある、iPhoneなどでのApple Intelligence、MicrosoftのCopilot+ PCなどでも端末単体で推論できるようになっています。
それ以前でもAI関連機能は使われていましたが、主に画像処理など向けの物でした。
Google Gemini含めたチャットAIサービスは、インターネット上で提供されています。
入力した内容は、かならずそのサービスに一時的に保存されます。
そのデータが、その後どう使われるかは各サービスがポリシー等で設定しています。
Gemini アプリのプライバシー ハブ
https://support.google.com/gemini/answer/13594961
Googleは機密情報を入力しないでくださいとしています。
一般的には入力した内容の削除などもユーザーが出来ますが、その前に人間のレビューアーによる確認、前述した学習での使用などが行われることもあり得ます。また、Google側のシステムの問題で削除したデータが残り続けていることもあるでしょう。
絶対に人に知られてはいけない情報は入力しないでください。
回答内容が正しいとは限りません。
人が答えるような内容なので勘違いする方も多いですが、回答内容はAIチャットサービスが様々な情報から考え出した内容です。
中には正しくない情報が出てくることもあります。
少しだけ間違っている事も、全く存在しないことを答えている事もあります。
必ず内容は再確認してください。
チャットAIと会話を続けていると、そこに人格があると錯覚する人がいるようです。
AIには人格はなく、前述した学習モデルに加えて、今までチャットした履歴が設定として残っているだけで、そのようにデータが出力されているだけです。
性格のような物を設定出来るチャットAIもありますが、その性格を設定しているだけなので、自分がチャットしたい内容を事前に設定するだけで、簡単にそうなりますし、設定を変えれば違うようにもできます。
Geminiなどには人格はなく、設定通りに文字が出力されているだけです。
2023年頃からチャットAIサービスを活用している方は、チャットAIサービスの出す答えは正しくない事も含まれる事をよく理解している方が多いようです。
そのため、出てきた内容は必ず確認すること、会話で自分が入力する内容(プロンプト)をどうしたらいいかもしっかり考え、予期しない間違った答えが出ることも当たり前という前提で活用しているようです。
一方で、チャットAIサービスを全知全能か何かと勘違いして、間違った内容を答えたり、全く意図しない結果になったことに憤慨している方もいるようです。
間違った内容などの場合は、低評価するなどして、それが間違っている物だと知らせてください。
それ以外のいくつかのパターンを紹介します。
思っていたのとは違う返答が来た場合は、入力する内容(プロンプト)を見直します。
人に話をしても、間違って解釈される事があるように、AIが自分が思っていることをその通りに解釈するとは限りません。
AIに正しく解釈してもらい、自分が思った内容を答えてもらうように、入力する内容を試行錯誤してください。
一度で回答することだけではなく、何回かやりとして総合して正しい内容になるようにすることも重要です。
これをプロンプトエンジニアリングと言います。
利用しているモデルなどによりますが、直近の情報は学習していないので正しい答えを出さないことが多いです。
基本的に昨日の天気などには答えられないです。
Geminiのようなサービスは、返答する内容をある程度制限しています。
例えば政治的な内容など一部の話題には答えないようになっているようです。このような制限が間違って働くこともあります。答える内容をチェックして問題がある場合は出力しないような仕組みになっています。
全くそれを意図しない事を入力していて、一瞬答え始めたのに急に答えなくなったような状況がそれに当たります。
このような場合も、入力内容を試行錯誤して、相互判断されないようにしましょう。
既に出来るということになっていて、入力してもそれには対応していないなどと答える事や、まともな返答が来ない事があります。
これは、例えばアカウントなどによってそのサービスの実装時期が違う事が大きな原因で、それ以外には使用しているサービスの言語の問題があります。
チェックすべきことは、英語でも同じ状況なので、アカウントの言語設定が英語でも同じか、他のアカウントでも同じかを調べましょう。
英語言語設定の、英語で聞いたときにも使えない場合は、まだなぜか利用出来ません。
AIは全く存在しないことを答える事があります。
これを幻覚(Hallucination)と言います。何かの情報を聞くと、存在しない何かが存在しているかのように答える場合など、様々なパターンで全く間違った内容を答える事があります。
それが間違った物かの判断はチェック機能である程度確認できますが、よく知らない分野だと、それを調べるのも大変です。
Geminiなどに頼らす、通常の検索機能で正しい情報元から情報を入手することも重要です。
このようなことが存在することを前提に、回答内容を丸ごと信用しないようにしましょう。
チャットAIのGemimi関連の新機能は、開発者が利用できるGoogle Cloud関連でまずは公開されることが多いです。
この機能はGoogle AI Studioを使うと手軽に利用出来るようになっています。
その後、通常のGoogleアカウントの有料サービスGoogle One AI Premiumで利用できるようになることが多いです。
その後、Google Workspaceや無料の一般のGoogleアカウントで順次利用可能になります。
各種サービスは、主に英語で始まる事が多いです。英語で聞くと利用出来る場合もありますが、Googleアカウントの言語設定が英語になっていると使えない場合もあるようです。
このため、Google Workspace、無料で使っているGoogleアカウント、英語以外のユーザーの場合は、使えるとされているGemini関連機能が使えないこともあります。
Google WorkspaceでもGemini関連機能が利用できるようになっています。
Google Workspaceは組織内で使うサービス内の様々な情報を管理できるようになっていますが、Geminiデータの削除機能は2025年4月時点で実装されていません。
Google Workspaceのサービスの中には、様々なデータの管理機能があります。ユーザーが削除したデータも管理社側では一定期間保持するような機能などもありますが、これらのデータの管理機能とGeminiのようなAIサービスの相性は良くないと言えます。
前述したように、削除したデータが本当に削除出来るのかなどはかなり難しい内容になります。
AI関連サービスは、現在そのクオリティを上げること、新機能を追加することが急速に行われていますが、ユーザーデータの管理機能は後回しになっていると言ってもいいかも知れません。
特にGoogle Workspaceの用に管理者が様々なデータを管理出来るサービスで、Gemini関連のデータ管理機能を実装するのはそう簡単ではありません。様々な検証も必要になるため、組織の管理者が確実にデータの削除、その他の操作が確実にできるようになるまで、データの削除機能は実装されないと推定されます。