COVID-19の濃厚接触の可能性の通知
詳細
COVID-19の濃厚接触の可能性の通知とは
GoogleとAppleは、新型コロナウイルス(COVID-19)の濃厚接触を検出する仕組み(API)をAndroidとiPhoneのOSで利用出来るように共同で取り組むことを、2020年4月10日に発表しました。
この仕組みはスマートフォンのBluetooth(ブルートゥース)機能を活用する物です。スマートフォンのBluetoothは10m程度の通信が可能で、スマートフォン自体もBluetoothの電波を出し、他のBluetooth機器を検出できます。
Bluetoothが出している電波はそれぞれ異なるため、技術的には、いつ、どこで、どのスマートフォンが近くにあったかが記録出来ます。
このデータを活用すれば、近くにいた人が後で感染していたことがわかった場合、誰と濃厚接触していた可能性が高いかを簡単に知ることが出来ます。
GoogleとAppleが共同で行っているのは、プライバシーを守りながら濃厚接触を検出する仕組みをAndroidとiPhoneで共通化して提供することです。これにより、AndroidとiPhoneなどOSや機種が異なっても、データのやりとりが出来ます。
プライバシーを守るため、この仕組みではユーザーの氏名等の情報、位置情報も取得せず、取得したBluetoothの情報も端末内に保存し、クラウド等へ送信しません。
この仕組みを使ったアプリ等は各国や地域の公衆衛生機関などが個別に提供します。
日本での、この機能を使ったアプリの名称はCOCOAで、2020年6月19日午後3時頃提供される予定です。iPhoneの場合はApp Store、Androidの場合はGoogle Play Storeからインストールできます。
Exposure Notifications System(暴露通知システム)の仕組み
COVID-19の濃厚接触の可能性の通知はExposure Notifications System(暴露通知システム)とも言われていますが、専用のアプリで設定することで利用出来るようになります。
設定すると、近くで同じ設定をしているスマートフォンのBluetoothの電波(識別子)をアプリ内に記録します。15分以上の接触で記録するそうです。
認識子は毎日かわるので同じユーザーと毎日接触してもそのユーザーの認識子を特定する事は難しいですが、そもそもユーザーが認識子を表示することは出来ません。
新型コロナウイルスに感染していることが判明した場合、ユーザーはアプリ上で入力します。間違えて報告できないように、関係機関から感染者に提供される処理番号の入力も必要になっています。
入力されると識別子が記録されている別のユーザーに、濃厚接触の可能性があることが通知されます。
これらのやりとりにはユーザーの個人情報は含まれないため、いつ誰がどこで接触したのかの詳細はユーザーに公開されません。公開されるのは濃厚接触の可能性があるということだけです。
また、記録した識別子は一定期間後(14日後)に削除されます。
通知を受けたユーザーは相談センターに相談して検査などを受けることになります。
COCOAとは
COCOA(ココア)はCOVID-19 Contact Confirming Applicationの略で、厚生労働省が無料で提供しているアプリです。
正式なアプリ名は新型コロナウイルス接触確認アプリ 英語名はCOVID-19 Contact App
このアプリをスマートフォンにインストールすると、利用しているユーザーが15分以上、1m以内に近づくと、そのユーザーの特殊な認識子が記録されます。
記録される認識子は日々更新される特殊なデータで、そのデータで個人を特定することは出来ません。感染がわかった場合は、アプリ内で感染したことを新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)から受け取った8桁のコードで入力すると、記録されているユーザーに通知が行く仕組みです。
このアプリを使用する際に、電話番号、氏名などの個人情報を登録することはありません。この記録や通知で個人を特定することは出来ません。位置情報は記録されません。GoogleやApple、厚生労働省、保健所、利用しているユーザーに、自分の情報、集まった情報等が送信されることはありません。
iPhone向けダウンロードリンク https://apps.apple.com/jp/app/id1516764458
Android向けダウンロードリンク https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.mhlw.covid19radar
関連用語
新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム HER-SYS
Health Center Real-time Information-sharing System on COVID-19
Microsoft Azureを使ったクラウド型の情報把握・管理システム。
RPRP年4月30日に厚生労働省が導入を連絡し、5月29日から利用開始。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html
日本でのアプリの詳細な仕様
日本政府の新型コロナウイルス感染症対策テックチーム による仕様はこちらにあります。
ここにある図による説明は次のようになっています。
サーバー等の仕様
国民の6割以上が導入することを想定で基盤等の拡張性を確保する。(1日に7600万以上のアクセスに耐えうる拡張性を確保)
週の新規陽性者が最大4200人を想定(2020年4月6日の週の養成者3500人×1.2の規模)
将来、海外で同等機能のアプリが提供されたときの相互運用性
アプリに関連するIDや識別子
日時キー TEK(Temporary Exposure Key) 端末毎に毎日一つランダムに生成される
時刻 ENIN (ENIntervalNumber)このPDFを参照
接触符号 RPI (Rotating Proximity Identifiers)TEKからRPIを10分から20分ごとに作成される
診断キー (Diagnosis Key) 陽性者の日時キーTEK・時刻ENINを元に作成
処理番号 感染者システム(HER-SYSと思われる)が陽性者に対してアプリで本人確認するために発行する番号
アプリの開発を実際にしているのは
アプリの開発は菅官房長官が2020年6月19日午前の会見で「工程管理が厚生労働省からパーソルプロセス&テクノロジーに委託し、開発は日本マイクロソフトを含む2社に再委託。開発自体はオープンソースコミュニティが担っている」と公表した。
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202006/16_a.html 12分頃から
開発を担っているオープンソースコミュニティは「COVID-19 Radar Japan」
https://lp-covid-19radarjapan.studio.design
https://github.com/Covid-19Radar/Covid19Radar
ここを支援している団体はマイクロソフトと日本医師会ORCA管理機構株式会社。
感染した際に必要となるコードの提供には新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS:Health Center Real-time Information-sharing System)」が使われここではMicrosoft Azureが採用。
開発環境としては、Xamarin Formsが、UIデザインはAdobe XDが使われている。
この機能が利用出来るスマートフォン
この機能が利用出来るのはiPhoneは2020年5月に提供されたiOS 13.5以降。AndroidはAndroid 6以上で、Google Play 開発者サービスをアップデートすることで利用可能。
Androidの場合、「設定」「Google」のサービスにCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の濃厚接触の可能性の通知という設定メニューが表示されます。
動作確認した機種は厚生労働省が一覧で公表している
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の濃厚接触の可能性の通知
Androidの設定画面に表示されるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の濃厚接触の可能性の通知(COVID-19 Exposure Notifications)はGoogle Play開発者サービスがアップデートしたことで、該当のAndroid端末で、GoogleとAppleが共同で提供したAPIを利用出来る事を示す物です。
ここからから設定した該当のアプリが保存したデータの消去などが出来るようになっています。この表示を消すことは出来ません。
ここで表示されている状態はその機能が使えるというだけで、表示されているから情報を収集したりしているわけではありません。実際にこの機能を使うには、必ず該当のアプリをインストールして設定する必要があります。
Google Play開発者サービスの関連項目のヘルプ https://support.google.com/android/answer/9888358
AndroidのこのCOVID-19の項目を削除する事は不可能
アプリの提供
日本では2020年6月19日より厚生労働省から提供される予定です。(6月18日に安倍総理大臣、西村経済再生担当大臣が発表)
iPhone向けのApp Storeでは2020年6月19日の午後4時頃から実際にダウンロード出来るようになりました。
AndroidのGoogle Play Storeでも2020年6月19日の午後7時頃から実際にダウンロード出来るようになりました。
関連リンク
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00009.html
https://www.google.com/covid19/exposurenotifications/
Apple
https://www.apple.com/covid19/contacttracing
CDC
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/php/open-america/contact-tracing-resources.html
開発者向け
https://github.com/Covid-19Radar/Covid19Radar
https://github.com/google/exposure-notifications-android
https://github.com/google/exposure-notifications-server
https://developer.apple.com/documentation/exposurenotification
提供状況
2020年7月3日 感染者が感染していたことを入力するためのIDの発行が始まる
2020年6月19日、Android版は検索できない状態と厚生労働省が公表。その数時間後、検索できるようになる。
2020年6月19日より厚生労働省から提供される予定と6月18日に安倍総理大臣、西村経済再生担当大臣が発表
2020年6月15日午前 内閣官房長官会見4:00頃から 今週中のリリースを目指して開発の最終段階にあると発言。
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202006/15_a.html