不正確なContent IDの申し立てが来た場合の対処例

YouTubeは大量の著作物を管理している著作権者にContent IDシステムを用意しています。

Content IDシステムは著作権者がYouTubeの権利対象の素材をアップロードすると、その素材と一致している動画が投稿された場合に検出して、著作権者が何らかの措置を行えるシステムです。
音、画像などに対して検出が可能で、例えば音楽を出版している場合、CDから無断でアップロードされた音楽を自動検出したり、映画等の場合も映像から検出できるようになっています。

このシステムは完全に動作しているわけではなく、間違った検出もしますが、そもそもContent IDの登録自体が間違っている場合もあります。

間違ったContent IDの登録でのトラブル

Content IDに登録する素材(参照コンテンツ)は、YouTubeが設定しているガイドラインに沿ったものを登録する必要があります。
その中にはサウンド素材、ループ音源なども含まれますが、ループ音源でしか構成されていない曲をContent IDに登録しているような例があり、関連するトラブルが常に発生しています。

YouTubeに動画を投稿する方の中には自分で音楽製作ソフトを使ってループ音源などで曲を自作する方もいます。
何の音源を使うかにもよりますが、このような音楽は通常YouTubeでは問題なく使えます。しかし、ループ音源で構成された曲をContent IDに登録されているような場合、Content IDの一致となり、権利侵害になってしまう可能性があります。

これを、ここでは間違ったContent IDの登録としています。

詳細 https://support.google.com/youtube/answer/2605065

そのような間違ったContent IDの登録ばかりしているような管理団体は、YouTubeでContent IDのシステムを利用出来なくなるようですが、このようなトラブルが減ることはありません。

音楽製作ソフトで製作した曲はContent IDの一致になる可能性あり

音楽製作ソフトではループ音源を使う事がありますが、同じループ音源を使ってContent IDに登録した音楽からContent IDの一致として、著作権の申し立てが来ることがあります。

そもそも、このような素材を使ったContent IDの登録が問題なのですが、YouTubeのシステム上このようなトラブルが絶えません。

Content IDの一致で著作権の申し立てが来た場合の対処方法

状況を確認する

通常、メールでも届きますし、YouTube Studioでもどの動画に対して申し立てが行われたかがわかります。

これによると、該当の動画がGenaration Gapというコンテンツと一致し、[Merlin] Symphonic Distributionというところが申し立てをしてきたことがわかります。

Content IDの申し立てとは、著作権者が自分の著作権と一致している動画をみつけたという連絡です。
これによる影響は著作権者によって異なりますが、一般的には「動画の公開は許すが、収益化は許さない、収益は著作権者が全て受け取る」という事が多いです。

この内容をYouTube Studioの該当の動画のステータスで確認すると、どの部分でどの権利者が文句を言っているのかがわかります。

ここではUday Biswasという著作権者の代理として[Merlin] Symphonic Distributionというところが申し立ててきたことがわかります。

該当の部分を聞くと、今回の場合はAppleのGarageBandのループ音源を使って作った音楽な事がわかるので、異議を申し立てることにします。

Content IDの一致に異議を申し立てる

YouTube Studioの該当動画のステータス画面から操作を選択、異議申し立てを選びます。

Generation Gap(なんだそりゃ)の権利を侵害していないことを申し立てますが、YouTubeから注意事項が表示されるので、理解した上で申し立てます。

ライセンスを受けているので申し立てる

AppleのGarageBandのループ音源を使った音楽なので、自分のオリジナルでもなければ、フェアユースでもなく、パブリックドメインでもなく、Appleから許可を得て作成しているライセンスを受けた物として申し立てます。

ループ音源だから全てがライセンスを受けたと出来るわけでは無いので、YouTubeで異議申し立てする際は、利用している音楽作成ソフト、音源のライセンスを確認してください。

ライセンス契約に関する注意事項が表示されます。

内容を理解して続けます。

ライセンスに関する内容を簡潔に記載、法律上の正しい名前を記載します。

ダラダラ長く書いたり(結局なにかいているの意味不明)、無駄な挨拶(日本語の「お疲れ様です」は翻訳すると意味不明)などを書く人もいるようですが、無駄は排除した方が読む方が理解しやすいです。

送信すると、Content IDの申立人に、異議が申し立てられたことが送られます。

その操作自体はメールでも異議申し立て者(異議申し立てをした本人)にも送信されます。

Content IDの異議申して後

しばらくすると、Content IDの申し立てが解除されたことが通知されます。

もしもここで解除されない場合、ややこしい権利者から申し立てされたという事で、再度行わないといけなくなる場合があります。

ちなみに該当の楽曲を調べる

曲名などから検索すると、YouTubeにアップロードされている曲が表示されることがあります。

今回のContent IDの申し立てを行ってきた曲を聴くと、丸ごとAppleのGarageBandを使ったもので、こんな曲をContent IDに登録している業者の管理責任の問題です。

不適切なContent IDの申し立てをしているとどうなるか

今回の様な間違ったContent IDの申し立てというか、該当の素材のContent IDシステムへの登録はYouTubeでは禁止されています。

https://support.google.com/youtube/answer/2605065

このような事を繰り返しているコンテンツ所有者はContent IDのアクセスが無効になるなどします。

https://support.google.com/youtube/answer/2797370

一般の善良なYouTube利用者は、このようなふざけたContent IDの申し立てをしてくるところの対処をしっかりしてくれとYouTubeに対して長年感じています。