Googleサポートの対象者

Googleのサービスは多岐にわたっていますが、検索、YouTube、Android関連、Google Playが一般ユーザー向けとしてよく使われています。

どれもインターネットを使う必要があり、YouTube以外は文字を認識出来る必要があります。
主なサポートは文字ベースで行われており、文字を読むスキルに加えて、質問を入力するための文字を書いたり入力するスキル、基本的なコンピュータ、インターネットのスキルが必要です。

そのため、Googleサービスはある程度インターネットと文字の読み書きが出来れば使えますが、サポートはもう少し上のユーザーに提供されています。

TL;DR

Googleのサポートの対象をほぼ全人類と誤解している方が多いですが、そんなことはありません。

サポートの対象となるインターネットサービスを利用出来、基本的なコンピュータ関連のスキルがあり、文章を理解することが出来て、自分の状況を文章に出来る人は、全体からすると半数以下です。

インターネット人口(日本の場合は94%)の、かなり大目に見て半数に基本的なコンピュータスキルがあり(日本の場合は47%程度)、そのうち識字の問題ではなく機能的非識字の、文字の読み書き、文章力に問題がある割合が3割と仮定すると、全体の33%がサポート対象です。

さらに、文字等によるコミュニティ能力も必要になります。

日本の人口1億2600万人中、4100万人にGoogleのサポートは提供されています。
世界の場合で同じように計算すると、79.1億人中26.1億人になります。

実際にはさらに少ないと推定されます。

Googleのサービスは誰に提供されているか

DIGITAL 2022によると世界人口は79億1千万人、そのうち、インターネットユーザーは49億5千万人で人口の62.5%だそうです。1年間でのインターネットユーザーの増加率は4%ほどです。

世界の識字率はユネスコのデータによると87%程度で、低い国のほとんどは貧しい国のためインターネットも利用出来ていない場合が多い用です。

簡単に言うと、Googleサービス自体はインターネットを使える世界人口の62%程度に提供されており、このほとんどが文字を読めるとすると、サービス自体は全体の60%に提供されているということです。

Googleのサービスのサポートは誰に提供されているか

一方で、Googleサービスのサポートは誰に提供されているでしょうか。

Googleサービスのサポート情報は文字ベースで提供されています。検索すればほとんどの事は検索結果に表示されますし、有料サービスの場合でも、検索すれば対処方法はわかるし、有人のサポートへもアクセス可能です。

サポート情報へのアクセスに必要なのは読み書き能力ですが、単純に識字率だけではわかりません。機能的非識字といわれる、実際に文章の意味や内容を理解出来る能力、自分の状況を文章に出来る能力があるのかが重要です。

Googleサービスのヘルプの内容は中学生くらいで理解出来る内容になっていますが、コンピュータやインターネット関連の基礎知識がある程度必要になる場合も多いです。
さらに、内容自体が複雑な場合もあり、機能的非識字ではなく、コンピュータやインターネットのスキルも必要となります。

各種調査によると、この機能的非識字の問題がある人は成人の10%から20%いると言われています。

実際には、それよりもかなりの割合で、文字が書いてあってもほとんど読まず、理解せず、読んで理解したフリをしている人はかなり多いようです。

このため全体の半数程度は、サポートに書いてある内容をまともに理解出来ていない可能性があります。

わからない事を質問できる人

サポートにある文章の内容を本当の意味で理解出来ていなくても、なんとなく読めれば、その後のサポートにアクセスすることは可能です。
アクセス出来ても、機能的非識字の問題がある場合、文章の理解能力が低い場合でも、自分の状況を文章に出来る能力や、状況を説明できる必要があります。

日本の新入社員の2割程度しか論理的な文章力がないというデータもありますが、長文とは言わないまでも、自分の状況を簡潔に文章に出来る能力がない人はかなり多いです。文章にすることは出来ないが口頭では説明できるという場合でも、文章に出来ないということから推定すると、口頭の説明も伊美川から無い物になっている場合ががります。

コンピュータ、インターネットに関する基礎スキル

Googleサービスを使うには、そのサービスを使うデバイスのスキル、インターネットに関する基本スキルが必要です。

例えばスマートフォンの電源を入れる事から、Wi-Fiなどインターネットに接続するスキルのような基本中の基本から、アカウント管理、セキュリティなど様々なスキルが必要です。

コンピュータサイエンスではコンピュータがなぜ動作するのかという基本も学びます。そのような事までは必要ありませんが、ある程度のデバイスに関する初歩の知識、操作方法、インターネットに関する基本的な知識は必要になります。
例えば、ここで書いたデバイスというのが何か、Wi-Fiとは何かが理解出来ているくらいのスキルは必要になります。名前は知っているけど、正しく説明できる人というのはかなり限られます。

サポート対象になる割合

インターネットを利用出来る割合は国によって異なりますが、日本の場合は2020年現在、94%で1億1830万人程度です。

コンピュータ、インターネットに関する基本的なスキルがあり、Googleのヘルプを読んでしっかり理解出来る割合が全体の半分くらいとします。(実際はもっと少ないでしょう)
文章を理解出来る能力、自分の状況を文章に出来る能力がある割合に関する調査結果はないですが、全体の7割程度とします。

日本のインターネットユーザーの半分程度の5915万人がある程度のコンピュータ、インターネットスキルがあり、そのうちの7割程度に文章の理解能力があるとすると、4140万人になります。

世界人口で同じように計算すると、79.1億人中26.1億人になります。

文字等によるコミュニティ能力

検索して調べる場合は、文字を入力する能力が必要ですが、文章力に加えて、検索結果の状況に応じて入力内容を試行錯誤する必要があります。

ヘルプコミュニティは意味不明な内容でも対応してもらえるかも知れませんが、質問内容が不明な場合に来る質問等に答えるコミュニティ能力が必要です。友人サポートでもチャットや、電話の場合でも、相手との会話という一定のコミュニティ能力が必要になります。

Googleサービスは限られた人にしか利用出来ない

Googleサービスは誰でも簡単に利用出来るサービスと思われていますが、インターネットを利用出来、文字を認識出来るなど、一定のスキルが必要になる限られた人にしか使えないサービスです。