2021.1.12 17:03
33年ネット諸兄姉どの
森下君も、カネの勘定ができればひと安心ですね。
この1月6日からの一週間、米国政治はまさにstumblesでした。
少しばかりまとめてみました。 racismの根の深さを、気持ちが悪いほど感じます。
4時間にわたって国会議事堂を占拠して死者5人を出した惨状は、ご覧になっていますね。詳しくは、AFP(フランス通信社)の
「https://correspondent.afp.com/when-democracy-stumbles(よろめく)」をご覧ください。
それはトランプの1月3日(日)の“will attend protests in Washington, D.C. on Jan. 6, the day Congress certifies Electoral College votes and declares President-elect Joe Biden’s victory” というツイッターから始まり、1月6日の演説は “We’re going to walk down Pennsylvania Avenue... and we're going to try and give our Republicans... the kind of pride and boldness that they need to take back our country,” Trump vowed. “All of us here today do not want to see our election victory stolen by emboldened(頭に血が上った) radical left Democrats,” he said. “We will stop the steal.”
1月7日のフジプライムNEWSでは慶應の中山俊宏教授(慶応義塾大学総合政策学部)は、これでトランプは完全に失脚したという。マティス前国防長官(James Norman Mattis)は“While、Mr. Trump will deservedly be left a man without a country、君には祖国はない”といった。中山教授の解説ではトランプは初めての白人の大統領だという。実際にトランプへ投票した72%~77%が白人であったという。
トランプは、新自由主義に基づく、グローバリズムの結果、経済格差の、人種問題などで不満が鬱積した白人層をムーブメントに変え、スプリングボードとして大統領に飛び上がった。でていた佐々江賢一郎(元駐米大使)は、ワシントンポストの記者(ボブ・ウッドワードのことか、云っている本人が名前を忘れてしまった)は、これを催眠術と云っている。さらに不満が積もると右の独裁に走るか、左の革命に走るかになる。中山教授は、日本は多文化主義の危険さを知らない。アメリカではWhite nationalism(白人至上主義)は厳然として存在する、人種問題は解決していないのだ。この状況にエスタブリッシュメントやエリートがしっかり対処してこなかったのだ。
2008年にバラク・オバマが大統領選に勝利すると、彼がアメリカ生まれではなく大統領職の資格要件を欠くという、証拠なき陰謀論を掲げる白人の『バーサー(birther⇒オバマ大統領は米国生まれではなく大統領になる資格はないと信じている人)運動』が勃興した。共和党は同運動を婉曲的に支持したが、トランプは最後までバーサー運動に固執した人物であったという(世界2021.1「犬笛政治の果てに」兼子歩(かねこ・あやむ、明治大学専任講師)p192)。
市畑注;犬笛政治(dog-whistle-politics)、犬しか聞こえない音、声、即ち、隠語のことをいう。奇しくも今日の朝日新聞天声人語にサイレントマジョリティーと犬笛政治について書かれている。添付しておいた。
また、オバマが大統領だった時に共和党のミッチ・マコーネル米上院議員院内総務は、オバマの法案を阻止することに全力を挙げてきた、特にオバマケアを重点にしてきた。オバマの再選を阻止することが最優先事項だ、と述べたことはあまりに有名だという。
ついでだが、不正選挙(election fraud)というのは、元元は「黒人投票」のことを意味したという(世界2021.1p192兼子歩)。
共和党上院議員では11人が不正選挙だと異議を唱えている。特にジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州)、テッド・クルーズ(テキサス州)が強硬派、多分トランプのパワーを継承して、次回の大統領選挙をねらっているのだろう。なお、今、テッド・クルーズは、「この4年間トランプ氏の発言に賛同したことはない」といっている。どうなるか見もの。
アメリカには、トランプに投票した7,400万人の、プラウド・ボーイズなどの過激派を抱えた、巨大白人ブロックが残り、次の4年後までに意識改革なんか不可能だろう。バイデンの勝利は紙一重の勝利であった、これから大変だ。トランプはとんでもない置き土産、悪夢nightmareを残していった。アメリカの政治的安定はなさそうだ。
トランプのような大統領が再び出てくるだろうか? トランプは上品でない、もっと上品なら再選されたかもしれない。今後出てくる人はsophisticateな人だろうという。
乱入から一時間遅れてバイデン大統領の確認は終わった。ペンスは、 has made an impassioned speech, declaring violent protesters who stormed the Capitol “did not win” (勝つことは無かった)といった。ペンスは裏切り者として処刑対象となった(議事堂をバックのhanging tree)。
皆さん、ご承知の通り、執務室を占拠された、処刑計画の対象となったという民主党下院院内総務(議長)のナンシー・ペロスは、トランプの職務停止か、弾劾訴追を強行しようとしている。この際、禍根を断とうというのであろう。
2021.01.12イチハタ