33年net諸兄姉どの
前大統領の文 在寅(ムン・ジェイン)時代(2017年5月10日 - 2022年5月9日)、日韓関係は最悪の状態が続いている。
★2022年5月10日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)がは韓国の新大統領に就任した。就任式は韓国の国会議事堂前で行われ、4万人を超える国内外の招待客が出席した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)とは、どんな人なのか、5.18日には外相に康京和(カンギョンファ)を任命、韓国で女性外相の誕生は初めてであるーつい最近。,北朝鮮が崔善姫(チェソンヒ)・第1外務次官が外相に任命されたと報じた。両国が女性が外相に就任するのは初めて。ついで、6.07駐日大使に日本通の研究者、尹徳敏氏(ユン・ドクミン)元国立外交院長(62)を選んだと正式に発表した。康京和(カンギョンファ)は先日、被害者発言をし、尹徳敏(ユン・ドクミン)は、元慰安婦らが共同生活を送るナヌムの家(京畿道広州〈クァンジュ〉市)も訪れ、「政治的な行動?」との批判も浴びたという。両者とも日韓の外交問題で慰安婦問題があることは十分に承知していると思われる。
より本質的な問題として、この近くて遠い国、韓国とは、どんな国なのかを2002年に購入した鄭大均著「韓国ナショナリズムの不幸(小学館文庫)」終活を兼ねて再読し、少し勉強してみた。
★まず、ご紹介したいのが、本文中にある90年代に韓国で流行した「トンデモ本」である。中でも突出した売り上げを記録したのは金辰明著『ムクゲ(無窮花-韓国の国花である)の花が咲きました』(1993年)であるという。『韓国と北朝鮮が共同で核兵器を開発し、日本の侵略に対する報復として東京沖に核ミサイルを撃ち込む』というストーリーであるが、この売り上げは初版以来330万部にもなるという。
韓国のナショナリズムの底にあるものー「親北朝鮮&反日」を見て取れる。ムクゲ(無窮花)を知らに人はないでしょうが、参考のために写真を添付しておきます。
★朴正煕(パク・チョンヒ)の 1961年(昭和36年)5月16日 の 軍事クーデターを軸に韓国を見てみよう。この本によれば、クーデターの実行者たちは(略)旧い政治家、旧い政治風土への異質な挑戦者だった。開発途上国の多くがそうであるように、当時の韓国でも、軍人は最先端のテクノクラート集団だった。大規模な組織管理や、政策の策定に関する訓練を体系的に積んだ集団は他にはなかった。そして何よりも彼らは体を使うことを厭わぬ実践家だった。60年代後半のソウルには、ジャンパー姿をした軍人あがりの幹部官僚や杜長をよく見たものであると云う。
だが、彼らを旧時代の人からはっきりと分かつのは『国家」感覚だったように思われる。両班(ヤンパン、貴族特権階級)政治家たちの「国」と違い、、圧倒的に農村出身者の多い軍隊をバックにした将校たち(朴正煕(パク・チョンヒ)将軍はじめ貧家の出が多数))と微妙に違うのである。
韓国人は政治論好きだが、60年代後半の韓国で私が接したインテリは、現政権を批判するとき、いずれも乃公出ずんば(自分が政府に入ればこうするだろう、俺様でなければであろう))という気配を漂わせて、私を驚かせた。(略)彼らは両班の後裔であり、「国」とは人民を指導・支配する自分たちの差配物だと観じていた祖先の血を引いていたのである。
(市畑注;平成12年の出版物によれば韓国社会の両班(ヤンパン、貴族特権階級)8~9%、良民階級50%、賤民階級が40%強という構成になっている。17世紀末、ヤンパンは生業を持たず、税負担も兵役も免除されていた。
李朝では同じヤンパンでも文が武より数段高位にあったという。同期・Uクラスの(故)崔文浩君のことを,これも同期・Uクラスの(故)西山日出夫君が、あいつはヤンパンだからねと事あるごとに云っていた。わたし自身は、要するに貴族なんだねと云うことで全く関心がなかったが、どうも其の社会的な有り様は日本の貴族と全く違ったものであった。)
彼らは「国」を自分たちのものと思っていたから、侵略者に対しては烈しい抵抗をした。だか、彼らが「国」を自分たちのものと思っていた分、指導・支配される民百姓は「国」から遠ざけられていたのである。
(略)彼らはには国家に対する帰属意識など薄かった。国際競技の応援などで韓国人が示す熱狂ぶりは、国家意識というよりは、農村社会でよく見られる排他的なヨソ者嫌いと表裏をなす共同体への帰属感から来るものであろうと云う。
では、国の持主である両班は、下層民より愛国者だったのか、というと、そうでもなさそうである。儒教という超国家的イデオロギーの信奉者であり、慕華思想に浸っていた両班の「国」は、われわれが考えている国家よりは、はるかに相対的なもの(低い価値)だった。
(市畑注;なんと慕華思想(明,清の中国を崇拝する思想)と儒教思想(男系優先、なお、儒教には救済思想がない)は500年続いている。一例ですが、僕の高校同期の男が韓国に行って、電車で一人の老婆が乗ってきただけでも、座っていた4人の女性が一斉に立ち上がったのでびっくりしたと云う)
(略)‐(60年代の終わりのころだったか、名家の子弟が徴兵拒否をするのに頭を痛めた政府が、そうした若者の名前をを親の名前と並べて新聞広告にだしたのを見たこともある。英国流の「貴族の義務(noble obligation)」とは正反対の現象である。
文中で引用した田中明(1926年7月3日 - 2010年12月8日)は、日本の韓国・朝鮮研究学者)著『韓国政治を透視する』亜紀書房、1992年)は朴政権はそうした従来の「国」を、農民たちも我がものと思えるような「近代国民国家」に組み換えようとした。朴氏は軍人であったが、軍事についてはほとんど語らず、ひたすら経済建設に心血を注いだ。国を富ませ、国民に安定した社会を与えること。そうすれぱ、そこで得られた安定感が、こんどは国を守ろうとする国民相互間の紐帯を育てあげ、国際社会を生き抜くことを可能にする・・・と彼は考えたのである
★朴正煕(パク・チョンヒ)の書いた「韓民族の進むべき途」(1962年)の抜粋が記載されていますので添付しておきますのでお読みいただきたい。多分びっくりするでしょう。
まず、冒頭に「わが国5000年の歴史は、退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であったで始まり、せいぜい同胞相争のためやすらかな日がなかっただけで、姑息、怠情、安逸、日和見主義に示される小児病的な封建社会の一つの縮図にすぎなかった。(略)第四に、経済向上に少しも創意的な意欲がなかったということである。(略)われわれが眠っているあいだに世界各国はいち早く自国の経済向上のため展開していた。しかし、われわれは海外進出は念頭におかず、せいぜい座ってなわを編んでいるだけではなかったか。
高麗磁器などがやっと民族文化として残っているのみである。それもかろうじて貴族たちの趣味にとどまっているだけであった。」
★朴正煕(パク・チョンヒ)のクーデターにより、漢江の奇跡と云われる経済発展を遂げたが、上からのナショナリズムは、国家と国民の一体化を目指す韓国ナショナリズムはソウルオリンピック時期に高揚したが、その後はむしろ「民族ナショナリズム」に変わりつつある。先に挙げた『ムクゲ(無窮花)の花が咲きました』を歓迎する精神(親北朝鮮と反日)を見ることができる。
この反日は、竹島問題、近くでは2018年の韓国の駆逐艦が海上自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題、つい最近の竹島周辺での調査船派遣問題などに反映されている。
★★更に、反日に加えて、日韓関係に加害と被害の役割分担を持ち込んだのは、両国の進歩派たちの功績である。その韓国でもっとも知られた日本人は和田春樹(わだ はるき、1938年〈昭和13年〉1月13日~ 韓国で最も人気の高い東大名誉教授、近代ロシア史とソビエト連邦史を専門としている。現在は朝鮮問題を専門とする。)、坂本義和、大江健三郎ヽ高崎宗司ヽ高木健一といった人々であろうか。彼らは韓国の知識人からその道徳性や韓国理解の深さゆえに「良心的日本人」などと呼ばれて称賛され、称賛されるがゆえに、自分たちの行為か、実は韓国人の日本に対する偏見やステレオタイプを助長し、またその自己認識や他者認識をお目出度いものにし、結果的に韓国人が白身の[良い歴史]や「良い社会を作り上げるのを困難にさせているのだということに気がつきにくい人々であると鄭大均は批判する。加害と被害の象徴が元慰安婦問題、さらに元徴用工問題、最高裁の判決で日本人資産の売却問題など差し迫っている。
★国家ナショナリズムは本当に根付いたか?
社会構造は親北朝鮮、反日に加害者と被害者にウエイトがかかり、経済構造は金大中の努力にもかかわらず、ロシアのオルガルヒ的な寡占であり、新たなるヤンパン的状況にあると思われる。
新大統領、尹錫悦(ユン・ソンニョル)は、日韓関係の改善を目指し、岸田首相との会談を準備しているという。しかし、日本政府は極めて慎重である。
2015年(平成27年)12月28日に 大韓民国 (通称:韓国、時の大統領は朴槿恵) ソウル の 外交部 で行われた 日本 の 外務大臣 の 岸田文雄 と韓国の 外交部 長官の 尹炳世 による外相会談後の共同記者発表 で 、両外相は「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明したが、ソウル日本大使館前のの慰安婦像は撤去されず、相変わらず週一度、水曜日の集会は開かれている。岸田首相から見ればまた騙されるのかということだろう。
ついでだが、朴槿恵大統領は、合意が行われた12月28日に国民向け談話を発表し、「韓日関係改善と大局的見地から、今回の合意について(元慰安婦の)被害者と国民の皆さんが理解してくださるよう願う」と呼びかけたが、韓国の与党セヌリ党は「日本政府の責任を明示したという点で相当に進展した」として歓迎する一方で、韓国の最大野党である「共に民主党朴槿恵大統領は、合意が行われた12月28日に国民向け談話を発表し、「韓日関係改善と大局的見地から、今回の合意について(元慰安婦の)被害者と国民の皆さんが理解してくださるよう願う」と呼びかけたが、韓国の与党セヌリ党は「日本政府の責任を明示したという点で相当に進展した」として歓迎する一方で、最大野党である「共に民主党」は「決して受け入れられない」と失望を表明した。
その後、朴槿恵大統領のオウンボールで失脚し、翌年、2017年5月10日、合意に批判的な共に民主党候補の文在寅が韓国大統領に当選し、政権交代が行われた。、
【親北朝鮮と反日、加害と被害の精神】は韓国社会の奥深く定着していると思われる。
国家の元首が変わるごとに、前元首の政府と決めたことが、守られないと云ことは、ヤンパン的思想そのものだ。
鄭大均は、この本で「日韓は歴史から自由であれ」(歴史問題の棚上げ)を主張している。妥当な主張である。しかし、仮に、新政権が棚上げしても、次の政権がひっくり返すだろう。
動向を注目したい。
イチハタ