33年net諸兄姉どの(2022.09.02)
昨日、ついに対ドル140円になった。むろんジャクソンホールでのパウエルの発言を受けてである。インフレは絶対に抑えるために利上げをするという決意を述べた。中央銀行と云うのは通貨の価値を維持するのだという大目的をはっきり国民に示した。この為替問題については、学者が沈黙しているとき、かって三木会の300回記念講演(2010.05.20)に招聘した同志社大学教授浜矩子が「浜矩子の〝眼〟『悪い円安』論の正体」(朝日千葉のzoom)の講演を予約、2022.08.27に聞いた。
結論は「資金枯渇で日本経済はミイラ化する!」であった。
★以下はその要旨である。
1.今や時代錯誤な円安性善説
円安でも輸出は増えない:円安でも輸入は減らない
日本はもう輸出立国じゃない; この輸出立国は安倍の考え方である。
2.日本は今や投資立国
日本が金利を引き上げられないのは日銀が「異次元緩和」から帰ってこないためである。日銀は、政府の子会社だから子会社からの借金は返さなくていいと、前からポロポロ云っていたが、今年の6月にハッキリ言っている。政府は借金漬けで金利上昇には耐えられない。日銀は「異次元緩和」から帰還できない。
(これは明らかにMMTである、健全財政をうたいつつ、実体は条件なきMMTだ、放漫経済だ)
では、このままで行くとどうなるか
3.このまま、円安が続くとどうなるか?
①日本の対外投資が滅る。
②対外投資が滅ると海外からの対外投資収入が減る。
③対外投資収入が滅ると日本の経常収支は赤字化する。
経常収支は貿易サービス収支十対外投資収入
対外投資収入は今や経常収支の稼ぎ頭
(イチハタ注;第一次所得収支 は、 国際収支統計 (国際収支状況)における 経常収支 の一項目で、対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示すものをいいます。 具体的には、「直接投資収益」や「証券投資収益」、「その他投資収益」などから構成され、日本においては、長年、貿易等で稼いだ巨額の資金を海外に投資し続け、大きな資産を形成してきた結果、2000年代半ば以降、経常収支黒字の主因となっています。日本の第一次所得収支、 令和2年3月では第一次所得収支:20兆3,811億円の黒字である。)
④経常収支赤字国日本は赤字補填のための外資流入が必要
だが低金利で儲からない日本に外資が流入するか?
⑤もし外資が入って来なければ・・。
資金枯渇で日本経済はミイラ化する!
黒田節のオジサンんも分かっている。分かっていなければ邪悪オジサンだろう。
質問1;岸田総理に期待できるか?
回答;基本的には期待できない。ドラマチックな変革はできない。
質問2;政府の方針は?
回答;政府、与党は浦島太郎軍団だから、一回目のオリンピック時代の姿、 輸出主導型に戻そうとしている。これは時代錯誤である。
質問3;対策は?
回答;要するに「需要過多」なのだから、モラトリアム、大インフレ、大増税に尽きる。インフレで逃げるのは大罪である。累進課税は頭打ちになっている。内部留保課税案があるが、二重課税になる。この組み合わせで乗り切るしかない。(市畑注;戦後のインフレ、ダッジの預金封鎖や大増税を思い出す。なお、外貨預金で逃げてもダメ、米国でドル預金口座を持たなければならない)
質問4;新しい資本主義分配はあくまで成長のためというが、分配は弱者の救済のためである。資産所得倍増計画も、危ない投資を沢山やってくださいということだ。これはミイラ化に対処するためとは思えない。
質問5;gotoトラベルは?回答;感染の危険にさらしてもという。やってます感です。
質問;円安は幾らぐらいまで進むか?
回答;難しい問題ですが200円ぐらいまで行くのではないか。
以上
イチハタ