U市畑進: David Reynoldsの警告 2020.1.18

ご承知の通り、英国は、31日に欧州連合(EU)から離脱します。

僕は、1972~1975年ロンドンに勤務していました。

当時はIRAの活動が激しかった時です。

有名なハロッズ百貨店に爆弾が仕掛けられたのもこの時期です。

そんなことで英国の行末に関心を持っています。

今日の朝日新聞に、これに関して英国の歴史家David Reynolds(Web-siteで詳細な経歴あり)の警告が掲載されました。

1ページに亙るので添付で最後の驚きの警告だけをお送りします。

イチハタ

英国 解体の足音 ケンブリッジ大学名誉教授 デイビッド・レイノルズさん

――教授は昨年発表した雑誌論文で、英国の保守党員を対象にした世論調査を紹介していますが、結果は衝撃的でした。「スコットランドや北アイルランドが英国から出ていっても構わない」と考えている人がそれぞれ63%と59%もいる、というのですから。連合王国の維持を望まない人がもはやこれほどいるということでしょうか。

「この結果は驚きでしたね。イングランド人はスコットランドや北アイルランドのことなど、知ったことではないのです。連合王国が分裂いても平ちゃらです」

「イングランドには『分権を利用してスコットランドがより多くの予算を持って行ってしまうようになった』との意識がくすぶっています。いわば『分権の赤字』。離脱を求めるイングランド人は、EUに対してだけでなく、スコットランドや北アイルランドに対しても憤りを抱いているのです」

――複雑ですね。

「英国のEU離脱は、二つの連合が迎える危機です。一つはもちろん、英国と『欧州連合』との関係の危機。もう一つは連合王国そのものの危機に他なりません」

(聞き手 ヨーロッパ総局長・国末憲人)


~~~~朝日新聞デジタル版公開記事の冒頭部分2019.1.19(管理人追加)~~~~~~~~~~~~~~

連合に解体の足音 英国の「島国根性」から見るEU離脱

英国が、欧州連合(EU)から31日に離脱する。激変するのは英EUの関係だけではない。「もう一つの連合、すなわち連合王国たる英国も危機を迎えている」。英国を代表する歴史家のデイビッド・レイノルズさんは警告する。背景にあるのは、英国人、特にイングランド人の「島国根性」なのだという。

【デイビッド・レイノルズ】1952年生まれ。20世紀外交史が専門で、パリ政治学院や日本大学でも教えた。近著「島の物語 ブレグジット時代の英国とその歴史」(未邦訳)。

――英国がEUを出ます。英国は結局「欧州の一員」としての意識を持てなかったのでしょうか。

「英国は確かに、欧州統合の過程に遅れて参加しました。フランスの影響を強く受けた規則にも、域内で力を増すドイツの経済力にもなじめなかった。英国はEUにとって、どこか気まずい加盟国でした。『だから離脱を選択したのだ』という人たちがいます」

――関係が元から薄かった、というのですね。

「ただ、歴史を振り返ると、英国は欧州大陸と常に絡み合いながら歩んできました。1066年にはフランスがイングランドを征服してノルマン朝を開き、その後英国は大陸に広大な領土を保持しました。英仏海峡は英国と大陸を分ける存在でなく、英仏の王国を結びつける『橋』だったのです。英国は、大陸の勢力関係にも無関心ではいられませんでした。フランスやベルギーにとっての脅威は、英国にとっても脅威。16世紀にはエリザベス1世がスペイン無敵艦隊と戦いましたし、ナポレオンの欧州制覇の野望や20世紀ドイツのヒトラーの侵攻を、英国は見過ごせませんでした」

「EUに関しても同様です。E…(以下、有料会員限定記事)

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~~~市畑補足(一橋33ネットメール済)2020.1.19 16:54~~~~~~~~~~~~~~~~

★スコットランドについて

スコットランドは英国女王の肖像を印刷したポンドを使っていない。見るのも嫌だという感じです。

イングランド銀行の英国ポンドをスコットランド銀行に預け、同額のの英国女王を印刷していないスコットランドポンドを発行しています。

イングランド銀行は、この量を上げ下げして金融政策(オペetc)を実施しています。

小生がいた時期の少しあと、北海oilが開発されましたが、これはスコットランドのものだといってずいぶんもめていました。

ラグビーだって旗も、歌も違います。

★北アイルランドについて

270年前にクロムウエルの、カソリックの牧師を撲殺していった宗教侵略が発端でした。

現在、北アイルランドのアイルランド人の居住区は、ダブリン市のあちこちに高い壁で仕切られています。第二次大戦中でしたか、英国議会はアイルランド兵の協力を得るため、アイルランドの独立を約束したが、北アイルランドに入植した英国人が反対して武力蜂起をしたため、北アイルランドを英国領に確か人口アイルランド人3:英国人7の地域にアイルランドと英国の国境線を作ってたが、「アイルランド人3」の地域は、日本の同和地域のように差別され、貧困地域として迫害され、追い出される危機に瀕した。それが北アイルランド人の武装勢力Irish Republican Army、略称: IRAを生み出しました。彼らは云う、もともとここはアイルランド領だと。

イチハタ

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P戸松孝夫感想1.19 Takao Tomatsu 2010.1.19 15:46

情報ありがとう。自分を含め、多くの日本人はイギリスという島国は日本と同じように一体だと考えている。(二番目に偉い日本人※⇓も最近日本人は一体であるとしてアイヌ文化を無視した発言をしてメディアを騒がせていたようだが)。イギリスの実情はこのreynold記事のようだとは市畑兄のようにイギリスで生活した体験がないとピンとこないだろう。今回の記事では、scotland.と north irelandの二地区だけが問題視されているが、連合王国を構成するもうひとつの地区walesはどうなのだろうか。englandの仲間として扱われているのかな

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