33年net諸兄姉(2021.08.28)
岸田文雄が総裁立候補を表明した。いわば身内からの現政権批判である。
これにより、自民党内部の権力闘争は一挙に激化する。
「〈危機の政治〉と〈政治の危機〉」はさらに深刻になるだろう。
2021.08.20(金)に添付の記事が掲載され、2021.08.21(土)朝日争論オンライン「〈危機の政治〉と〈政治の危機〉を考える」の予告が出たので見ることにした。
内容は新聞記事より面白かった。とくに日本の政党に関する見解は面白い。
アンカーは編集委員高橋純子(1971年福岡県生まれ。学歴不明、反安倍論者である)がつとめる。
8年前から長谷部恭男(はせべ・やすお、1956生、憲法、公法学、東京大学名誉教授、早稲田大学教授)、杉田敦(すぎた あつし、1959年生 、法政大学教授。専攻は、政治理論、政治思想史)の対談で「公論を」定期的に掲載していたが、今回は加藤陽子(かとう ようこ、1960年生 、日本の歴史学者。東京大学教授。専攻は日本近現代史東大教授)をむかえ鼎段を行う。
★まず、菅政権の、この1年間をどう見るかについて各人の意見を聞きたいから始まる。
ゲストで迎えられた加藤陽子;一言で云うと「下駄を履かされた政権」という、例えば、有名な女子医学部などで得点が調整をされていた受験の中で、菅さんは安倍内閣の官房長官をされて政治力を発揮され、これは、これは素晴らしい政治力をお持ちの方とお見受けしていたが、実は日本的な新聞、TV,忖度などにより言葉を補充された事実がだんだん分かってきたのではないか。
・長谷部は「突っ込め―内閣」 杉田さんの話をなぞっただけですが、goto、100万人ワクチン、オリンピックなど、狭いところでボールを投げ合っている、全体を見ていない。
・杉田は「見ざる、言わざる、聞かざる」である。「見ざる」は「現実を見ていない」、「言わざる」は「説明、理由」を説明しない。「聞かざる」は「批判など」を聞かないなど、外界と遮断、見たくない現実は見ない、自分の気に入る情報を要求するなど、非常に危険な内閣である、これを「コロナ敗戦」と云うと辛辣である。
・加藤は、あの戦争の失敗はなんであったか。いま「コロナ敗戦」「インパール2020」となぞネットで言われている。歴史として同じ過ちを繰り返す。2011の東日本大震災時にもみられ、政治で決定する人を決められなかった
・杉田;「コロナ敗戦」に関連して日本は外国より死亡者が少ないという人がいる。そういう比較は意味がない。日本は外国と戦っているわけではないのだ。政府は頃な情報をだしていない、出してもわかりづらい、感染研のHPなどには書いてあるが、そこまで読む人は少ない。 インパールは、持ってきた馬を食えばいい、兵站なしで、次の場所に行く、社会科学は実験ができない、過去の例に学ぶしかないのだ
・加藤;最悪の事態を想定できない、カウントすべきデータがなんであるかということ共有されるか。開戦時、天皇にだした船舶造船のデータは造船力で米英を上回るという平時のデータで、1939年から41.12月までの戦時のデータでなかった。 妙に隠すのだ。加藤は、新聞記事で「付言しておくと80年前は、でっち上げられたデータの真贋を問える力を、御前会議に居並ぶ為政者には一人もいなかったという」・加藤は世の中の目つまりが起きている。何が問題なのか?保健所、地方首長、と国、2012年この連携がうまくいかなかった。彼女が注目するのは市町村の議会がどうかかわっているかである。地方議会の制度は1899,1911年のままである。議会は十分に支援しているか?
★ロックダウンについて
・加藤はロックダウンの前に、コロナでうまくやっている鳥取、和歌山、秋田、山梨でやっていることを明らかにすべきだろう。
・杉谷;ロックダウンに関して、すぐに憲法ではという人がいるが、securityもいろいろある。9条は軍事的な問題でコロナとは全く関係ない。感染症は厚労省の問題で、厚労省が補助金を出せばいい。東大ではRMAお研究をしていたが、途中で厚労省が補助金を打ち切ったといわれている。
個人の自由を制限している条文は12条【自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止】、13条【個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉】、22条【居住・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由】、23条【学問の自由】。かっての理論では衝突する権利と衡平を保つという考え方であったが、今では国民の為になるならば、という理論になっている(やればできると云う)。
・高橋純子より総選挙を迎えるにあたって
★選挙制度について
高橋純子の解説;小選挙区制では、例えば9人×9区の選挙では81人の過半数41人で勝てるが、投票率60%以下だとだと15人で勝てる。
・杉田;この選挙制度を最も利用してきたのが安倍政権だ。20%、16人なら完全に勝てる。身内や、フアンを固めれば勝てる。政権に反対する人を16人集めれば、政権の交代が可能です。現状では、野党が弱い、その理由は人材が否とかいうが、そんな理由ではないと思う。誰も分かっていない。(これによって2012年12月の衆議院議員総選挙で初当選した119人の自由民主党の議員、約四割を占めるという。昨日、岸田が総裁選に立候補した。岸田の主張はHome - 岸田文雄 公式サイトをご参照ください)
そもそも、日本の有権者は政党が好きでないではないか? 現在の第一党は「無党派」、第二党が「自民党」となっているとみるべきだ。日本人は政治的、党派的が好きでない、こんなことを政治学者が言うと問題でしょうが、党派は宗教的と言えるのではないか。かつての民主党のように硬直的ではないにしても、政党のマニフエストなんか気にしていない。コミットメントを持つことが良くないようだ。
(これは文化人類学的に、実に面白い、厳しいことを云う、考え方が日本の文化から遠く、厳しい政党ほど人気が無いと云うことになる。事実、その通りである。ということは、憲法改正などについて、改正反対も賛成飲み込む政党、それこそ多文化の政党 裏返せばー戒律が無いいという意味で神道的なのだ。日本でイスラムが定着しないのは、この厳しい戒律ゆえだという説もある。社会党の歴史を見ればよく理解できる。公明党や維新の会が、現状以上大きくはならないのはよくわかる。無論共産党にも言える。)
・長谷部;家電を買えば取り扱い説明書がついているように、小選挙区制度の説明書がない。小選挙区制度は、危険な制度で、上位二人の選択で極めて戦略性を帯びた思考を要し、これ以外の投票は票を捨てたことになる。他方で比例代表制は、あなたが真心で入れたい人、もしくは真心で入れたい政党に投票するという、小選挙区制度と全く発想が違う。有権者は混乱してしまう。中選挙区制度は、比例代表制の一つで、どちらかと云えば比例代表制に向かうべきと思うが巻き戻せるかどうか。当分の間は、現在の制度でやってみるしかないだろう。
★風に乗るか?
・長谷川;半分ぐらいが無党派層で野党が勝つとしたら「風に乗る」しかない。かつての民主党は、やたらに「子供っぽい」マニフエスト振りかざし硬直的であった。無党派層にとってマニフエストなんか気にしていない。「反省しています」、「もう子供っぽいことは云わない」と、ゼヒ云ってもらいたい。そうしないと有権者は政権をとって「また同じこと」をやるのではないかと思ってしまう。
一方選挙に行かなくなれば、民主主義の崩壊で、利益集団の壟断もとでその日を送ることになる。必ず選挙にはいってもらいたい。
・杉田;東日本大震災のときは、たまたま民主党政権だった、原発事故で、かなりの地域が放射能で汚染されるかもしれないという状況で、危機の大きさが、あまりにおも大きく、やむを得ないこともあったが、悪いことも含めて「民主党の失敗」として長く記憶されている(ツイッターでは「#最悪最低」で引くと、菅直人、鳩山由紀夫が出てくる)、確かにこまかな失敗があるが、そもそも原発を推進してきたのは自民党の失敗は表面化しなかった。今コロナで自民党は苦労しているが、同情するところもあるが、コロナに関して政府の役割、例えば医療制度・ワクチンのなど、民間ができないことで、政府へ期待が集まっている。ベイシックスタンス(経済重視―これはコロナ担当が経済再生担当大臣という役職名でもわかる)で行動すると、データに基づかない、説明しないとか、真摯に説明しないとかに加え、国民の期待を裏切った場合には怒ると云ことはありうる。2011年の災害の「権力の本質」表れてきたと云い得よう。今までの推移を見ていると必ずしも「自民党政権」が「民主党政権」より優れているとは思えなくなってきている。
・加藤は、日本の二大政党制は1925年から1932年まで政友会と民政党の、二大政党時代が(1932年の五・一五事件まで)続く、しかし、この二大政党は極めて似たものとなって、汚職なんかで元老が交代を促したということで交代し、国民は完全に阻害されていた。
小沢一郎が国民に選ばせて、右か左かの二大政党と主張した。加藤はこれを眉唾ものだと思う。政党の顔や姿が読めるか否か。然し、今は、議会では細かい権力規制などやっている。次は誰か、次の次は誰かとじっくり見ておかれる必要があるだろう。とにかく1854年黒船到来から明治維新までは14年かかった。横浜市長選が行われますが、チラシなどじっくりと読んで勉強してもらいたいです(結果はご存じのとおりです。この選挙は政党が支持を得たというより、風が吹いたというべきでしょうか?)(要約了)
イチハタ