2021.8.7 17:07
To EverNote黒潮丸
大学3年の夏休み、思い立ってというか思い付いてミステリーの翻訳に取り掛かった。予備知識まったくなしに神田でたまたま手にとったアメリカのペーパーバックの1冊であった。
英語の勉強のつもりではじめたが、実際に日本文に落としこむのは仲々手強く、苦労したがなんとか最後までやり遂げた。400字詰め原稿用紙で1000枚になった。勿論ワープロなど無い時代で乱筆でひどいものだった。
それを早川書房に送ったら電話があり、「一度来ませんか」となった。神田の早川の2階の事務所に行くと都築道夫という編集者が応接してくれた。そして「宇野さんの下訳でもして見ますか。」となって翻訳家の宇野利泰先生を紹介してくれた。都築氏は当時編集部員であったが、その後「エラリークィーンズミステリーマガジン」(EQMM)を創刊し、編集長となり、のちに作家となる。
宇野先生はミステリー翻訳の大家で名前だけは知っていた。
最初の出会いは田園調布の駅前にあったジャーマンベーカリーの喫茶コーナーだつた。年齢差はあり、大家であり、殆ど話は出来なかったが「それじゃあお願いしましょうか」となった。
米版のEQMMを渡され、その中の1編を翻訳するのであった。訳文で50枚から100枚であった。一枚が50円であった。こうしてひと月2500円から5000円のバイトが始まった。毎月ジャーマンベーカリーに行くのが楽しみだった。
この関係は私が出光に就職して仙台に赴任するまで続いたが、文句を言われたことも無いから、まあ合格点だったのだろう。
その後翻訳を試みたことはない。あのままミステリーの翻訳を続けていたらどうなっていたか、想像したこともない。
2021.8.10 16:26
市畑兄
何であれ反応があるのは嬉しいものです。
有難う。
下訳は下訳で、翻訳とは思っていません。
〜〜〜
高橋兄
ジャーマンベーカリーの写真、ありがとう。
懐かしい。
森下一義
田園調布のジャーマンベーカリーは我が家にとっても懐かしい店でした。往時の話で盛り上がりました。有難う。髙橋健夫
8月8日9:42
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s-ichihata@pa2.so-net.ne.jp
8月8日17:37
森下兄
貴兄がアルバイトにミステリーの翻訳をしていたのですか。
ぼくは、大学時代にはカー、エラリークイン、アガサクリスティー、ヴァンダイン、ガードナーなどの乱読した。
当時は、友人に回し読みをしていたので、残っているのは添付のガードナー「びっこのカナリア」、クイーン「Yの悲劇」の二冊です。
いま、読んでも途中で当事者やストリーを忘れてしまって読めないだろうと思うが、読んでみるか。
懐かしい青春を掘り起こしてくれてありがとう。
イチハタ